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ベンチャー・スタートアップ企業の特許を調べるときは発明者にも注目しよう

先日、日本経済新聞オンラインに掲載されていた次世代端末のコンタクト型スマートグラスの記事。

メニコンがアメリカのベンチャー企業モジョ・ビジョン(Mojo Vision)とタッグを組んで実用化を目指すとのことです。

こういう記事を見ると、すぐに「特許出願されているのかな?」、「どんな特許だろう」と気になります。

そこで早速Google PatentsでMojo Visionで調べてみました。

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が結果はゼロ件・・・

まだ出願したばかりで公開されていないのかな?(特許は出願されてから1年半経過しないと原則公開されません)と思いましたが、実はベンチャー・スタートアップ企業の特許を調べるときは、個人名で調べてみることも必要です。

個人名といっても、特にCTO(最高技術責任者)やCSO(最高科学責任者)などの人名です。

というのは、ベンチャー・スタートアップ企業の場合、大学の研究者などの開発した技術をベースに立ち上げている場合もあるので企業名ではなく大学やほかの組織名で特許が出ているケースがあるからです。

そこでモジョ・ビジョン(Mojo Vision)のウェブサイトでリーダーシップ(経営陣)を見てみました。

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まずは、CTOのMike Wiemer氏で調べてみます(今後はAssigneeではなく、Inventorのところに入力します)。

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しかし、結果はゼロ件。それでは次にチーフサイエンティストのMichael Deering氏で調べてみます。

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するとGoogle Patentsのカウントでは939件がヒットしました。

すぐに「Systems Using Eye Mounted Displays(アイ・マウント・ディスプレイを用いたシステム)」や「Eye mounted intraocular displays and systems(目に装着する眼内ディスプレイとそのシステム)」という気になるタイトルの特許が見つかります。

しかし、これらの特許の出願人・権利者はモジョ・ビジョン(Mojo Vision)ではありません。

Michael Deering氏でGoogle検索してみると、ウィキペディアのページもあるぐらい有名な方でした・・・(スイマセン、知りませんでした)。

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本当に同一人物か確認するためにモジョ・ビジョン(Mojo Vision)のウェブサイトのMichael Deering氏をクリックして見ると、

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とありますので、おそらく同一人物と考えて良さそうです(時折同姓同名の方もいる場合がありますので注意が必要です)。

Michael Deering氏個人メッセージの下にはLinkedInのリンクがありますので、こちらをクリックしてキャリア変遷を見ればより確実です。

本記事ではMichael Deering氏の出願の詳細には触れませんが、ベンチャー・スタートアップ企業の特許を調べる際は、ぜひとも企業名だけではなく発明者名(特にCTO・CSO)で調べる習慣をつけていただくと良いでしょう。

ちなみにGoogle Patentsで発明者と権利者がMichael Deering氏の特許を調べると119件ありますが、この特許がMojo Visionのコアテクノロジーのベースとなっていると思います。

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