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フレームワークと情報-『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』より-
「知財情報を組織の力に🄬」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。
先日久しぶりにブックオフに行ったら、『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』が売っていたので即購入しました。
出版されたのは2013年で、もう10年前。以前から気になってはいたのですが、この手の本はたくさん読んでいるので、当時すぐに購入するのを躊躇していました。
購入して読み進めていますが、改めて基本的なことを振り返るには良い書籍だなと感じています。
そんな中で今日のタイトルにもある「フレームワークと情報」という観点で良いフレーズがあったので紹介したいと思います。
フレームワーク
マッキンゼーの仕事というと、問題解決のためのフレームワークを使いこなして行うイメージがあるみたいですが、フレームワークだけではバリューは出ません。フレームワークもたしかにツールをして使うのですが、そこから出てきた情報や知見をどのように扱うか、あるいは、フレームワークの切り口そのものをどう「創造」するかというのは個人のセンス。先輩や上司からも「いいコンサルティングの提案とは発想がカギ。発想とは、どの軸で切るかが大事だ」ということを言われ続けました。まさに軸の切り口が「セクシー」かどうかというセンスが問われるわけです。
この本の中でも
ビジネスシステム
3C
7S
ポジションのマトリックス
ロジックツリー
などのフレームワークに触れているのですが、 フレームワークだけではバリューは出ません というのはまさにその通りだと思います。
収集した情報を整理する、その際に抜け漏れをチェックするという点では重要ですが、フレームワークそのものから提案・提言や戦略案が導出されるわけではない。
さらに 発想とは、どの軸で切るか というのも非常に重要なポイントだと考えています。
このフレーズで感じたのは特許情報分析時において、どのような軸で分析するか?ということです。もちろん既存の特許分類(IPC、FI、Fターム、CPCなど)を軸として用いれば楽であることは間違いないのですが、最新の技術体系等には対応しておらず、各社ごとの状況にマッチしているわけでもない特許分類から、何か提案・提言等が出せるかというと結構難しいのではないかと常々感じています。
やはり、独自性・オリジナリティを出すためには、どの軸で切るのかを人間が考える必要があると思います(そのうちChatGPTなどが筋の良い軸を提案してくれるようになる気もしますが)。
情報-オリジナルにこだわる-
もう1つが、情報に関してです。
一般的には、データや情報というと書籍や新聞、雑誌、インターネットなどのメディア情報のことを思い浮かべますが、こうした情報は誰かの手で掬い取られた「二次情報」です。「二次情報」は第三者の手を経ている情報なので、抜け落ちている部分や意図的に編集されてる部分があるために参考程度にしかなりません。
もし「二次情報」をもとにして戦略を立てたとしても、そもそも、前提となる情報が間違っていてはおかしかったことになりますよね。
ですから、マッキンゼーでは情報やデータを得るリサーチは「必ず原典に当たれ」「徹底して現場に出向いて確かめろ」ということを口酸っぱく言われました。
特に
必ず原典に当たれ
徹底して現場に出向いて確かめろ
の2点は私自身も反省しなければいけないところがあります。特に後者の方の「現場」ですね。
原典については可能な限り当たるように心がけてはいますが、やはり扱いやすい二次情報があるとそれをそのまま利用してしまう(出所は明記)ことまります。ただ、そういった二次情報であっても
また、シンクタンクにも矢野経済研究所のような、新しいマーケットの情報を積極的にリサーチしている機関もあります。そうしたところでも、どうやってその新しい市場ができていったのか、市場の定義はどうなっているのか、その基準は何かなど詳しく聞かせてもらいました。
とあり、なるほどそこまでやるのか。。。と反省です。
やはり、
情報をそのまま受け取るのではなく、自分が直接、その情報が生まれる現場に行くことでひらめきが生まれることもあります。
のようにトヨタ自動車の 3現=現場、現物、現実 を重視することが重要なんだなと改めて認識した次第です。
最近はデータベースやツールの発展が著しいので、そういったデータベースやツールを使えば容易に情報を収集することができます。ただ、収録されているのは二次情報だったりするので、ちゃんとオリジナルに当たることが重要ですね。
このあたりを読んでいる際に、思い出したのが『競争優位の情報戦略―公開情報でここまで読めるライバルの経営戦略』
です。20年以上前の古い本ではありますが、公開されている情報でいろいろと競合他社について分析することが可能であることが解説されています。
この本の執筆当時はまだインターネット黎明期。なので内容的に古いと思われるかもしれませんが、徹底して現場に出向いて確かめろ という点では『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』と共通しているところがあるなと感じました。
ちなみに私が『競争優位の情報戦略―公開情報でここまで読めるライバルの経営戦略』を購入した際は2万円近くしましたが、本記事執筆時は2,000円もしていないので、安くなりましたね。。。。
まとめ
『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』を読んで、特に分析を行う際に重要だなと思った点ついて述べてきました。
以上のテキストをChatGPTに3つにまとめてもらったところ、
フレームワークは問題解決に必要だが、個人のセンスが重要。発想とは、どの軸で切るかが重要。
情報収集には原典に当たることが重要であり、現場に出向いて確かめることが大切。オリジナルにこだわる。
データベースやツールを使えば容易に情報を収集できるが、収録されているのは二次情報であるため、情報の正確性には注意が必要。公開情報から競合他社を分析することも可能。
となりました。
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