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特許以外の情報をどのように収集・分析するのか?-CiNii編【前編】-

特許情報は構造化されたビッグデータであり非常に有益な情報源ではありますが、ビジネスへ活用する際は特許情報だけではなくマーケット情報、企業情報、財務情報、論文・文献情報といった特許以外の情報と合わせて総合的に分析することが必要となります。

様々な特許以外の情報の収集・分析方法の例について紹介していく「特許以外の情報をどのように収集・分析するのか?」シリーズですが、前回はAmazonを取り上げました。

今回は学術論文や図書・雑誌などの学術情報データベースCiNii(サイニィ)を取り上げます。

CiNii(サイニィ)は国立情報学研究所が運営する学術論文や図書・雑誌などの学術情報データベースです。

今回は学術論文=文献をメインに解説していきますが、実はCiNii(サイニィ)には博士論文も収録されています(正確に言うと各大学の機関リポジトリへのリンクが張られている)。

昔は博士論文を調べようとすると非常に手間がかかりましたが、CiNii(サイニィ)を使えば網羅的に調べることができます。特に無効資料調査などの先行文献として活用できる場合もあると思いますので、ぜひご確認ください。

ちなみに、無効資料調査の場合、博士論文がいつ公開されたかというタイプスタンプが重要になります。図書館に収蔵されたのがいつか確認するためには別途博士論文の表紙コピーを取り寄せなければいけない場合もあります。

1. 分析対象情報源としてのCiNii

CiNii(サイニィ)にアクセスしたことがない、使ったことがないという方もいるかもしれません。文献を調べるとなると、有料データベースではJ-DreamIIIが有名ですが、CiNii(サイニィ)は無料でアクセスできるデータベースで、上述の通り学術論文、博士論文などを収録しています。

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上記メニューにあるように

・フリーワード
・タイトル
・著者名
・著者所属(企業、大学や研究機関など)
・刊行物名(雑誌名、ジャーナル名)
・出版年

といった検索項目が用意されています。

CiNii(サイニィ)の簡単な使い方についてはイーパテントYoutubeチャンネルの3分講座で動画にまとめていますので、操作方法に慣れていない方はご覧ください。

前回のAmazonの情報に比べると、特許分析プロジェクトで特許情報と学術文献・論文情報を組み合わせることに違和感を持っている人はあまりいないのではないでしょうか?

こちらも過去セミナーの動画になりますが、ジーサーチ主催セミナー「知財戦略立案のための学術文献活用」で特許情報と文献情報(J-DreamIII)のハイブリッド分析を行った例があります(動画は4分割されています)ので、ご興味ある方はご覧ください(講演資料のダウンロードはこちらから)。

2. CiNii掲載情報の活用方法

前回の復習になりますが、特許以外の情報を活用タイプには、

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