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冬の所感│太陽で暮らす、時間で暮らす

この時期は,
日の出より前に家を出て,
日の入りより後に職場を出る。

外は暗い。

澄んだ空気に鮮やかな空,木々や建物は影となる。
鮮やかな空に,その影が映える。
それは切り絵のようで,空気が澄んだ冬のパキッとした風景は毎日見ても飽きることはない。


一方で,

電車の中は明るい。
何よりも白い。シャキッとした均一な明るさ。


ふと,思う。
この光がなかったら,私は家に帰れるのだろうか。
日の入り後の自然を前にして,私は家に帰れるのだろうか。


たぶん,帰れる。
だけど,不安だと思う。暗いし,寒いし。

帰らない方が危ない。
だから,帰れるか帰れないかではなくて,帰る。

帰れなくても帰ろうとする。
火を起こす技術もないし,野宿する技術もない。普段からエマージェンシーシートを持ち歩いている・・・わけもない。だから,帰る。


日の入りを過ぎても活動していることが,
急に不自然に思える。


長く人類は,日没後に多くが活動できるほどの光を持っていなかった。
木々を燃やし,蝋燭に火を灯し,
夜を過ごしてきたのではないだろうか。


電球が,蛍光灯が,LEDが,照らす。
そんな時代は,長い歴史の中では,
ほんの最近のことではないか。


「太陽」で暮らしていた人類は,
「時間」で暮らすようになった。

夏も冬も,勤務時間は変わらない。

せめて勤務時間を季節で変えられたらいいのに。

夏は働くから,冬は省エネで。



明日は定時で帰ろう。
明日がいい1日となりますように。






(結局は,早く帰りたいってこと。)


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