「寝違えたくびにちちんぷい」

拝啓、すずめ園さま

お元気ですか　先日はお誕生日おめでとうございます㊗️すずめちゃんのお誕生日を今年もお祝いできる関係でとっても嬉しいです。はやくお祝いしましょう‥🎂

わたしの最近は、寒いので、去年使っていた手袋を洗濯しました　ふわふわで、うさぎの尻尾みたいで気に入っています　今年はニット帽が欲しいです　きっとあったかいといい気持ちになるから

なんだか寝ても寝ても眠いので冬眠の時期かもしれません　一日が三日くらいだったら良いのにな　春になったら起こしてください‥という気持ち、なんかわかる気がします

すずめちゃんの前回の自由律俳句、室蘭の冷たい空気が漂ってきますね‥素敵

・食パン齧る体温が低い

時間のない中パンを食べる朝ご飯の句かな、と思ったのですが、冷たい体とエネルギーのパンのコントラストがちょっとシニカルで素敵です　わたしはちゃんと起きれない人なので朝ごはんを食べる習慣が全くないのですが、急ぎながらもそもそパンを食べる朝やってみたいな‥と思いました

・終業5分で蕎麦

架空のエッセイ、素敵でした‥パラレルワールドのすずめちゃんを思い浮かべて読んでしまったのですが、可愛い‥ 窓際族は親近感が湧くし、わたしはひとりで富士そば入る女の子が好きです

・明け方凍った目覚まし時計

すずめちゃんの書く寒さの句にはユニークさと情緒があるなといつも思います‥ わたしが書くと寂しげになってしまうけれど、すずめちゃんだとみた事ない句になる。この句はとってもそうで、明け方の冷え切った目覚まし時計はちょっとユニークで、これから始まる一日の憂鬱さと決意みたいなものが見えます。ネガティブじゃない冷たさ、かっこいい句だなと思いました‥

選んでいて、もしかしてすずめちゃんは冬は朝が好きなのかな、と思っていました(わたしがすずめちゃんの朝の句が好きなだけかな) これからも朝の句、楽しみです‥🍞

それではいきます

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・わたぼうしもゆきむしも冬告げる風が飛ばした

・水面に映る社宅の方が大きい

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・林家ペーパーじゃなかった

御茶ノ水駅前の横断歩道に、全身ピンク色の紳士が立っている。

林家ペーか？　でもパー子らしき人は居ない　でもほとんど林家ペーだな‥ いや違うか　顔を覗いてみようか　でも林家ペーだと思っていたい‥ でも覗きたい‥ 信号が青に変わった　刹那、ピンクの紳士が振り向く

あっ、林家ペーパーじゃなかった

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・月蝕わたしが齧ったんよ

・遠足みたいな朝おにぎりの匂い

・シャケにすればよかった

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・秒針ばかり早い僕だ

・煙たい窓に光線が走る

・寝れない日に出来た歌だよ

↪︎ 眠れない明け方、遠い空が青くなって、だんだん、いちめんが水平線みたいになる　波打ち際はね　わたしのベランダ　プレスリーのBlue Moonのささやきが、静かに夜を終わらせてくれる　笑ってくれ　眠れないことを　そしてそっと抱きしめて　毛布に包んで目隠しして　眠らせてね　よるのかみさま

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・これはねこもねむるよ

・寝違えたくびにちちんぷい

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・愛だよダブルロールのトレペ

・チョコより甘い

・たしかにつよそうな黄身である

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・食器までもう君じゃない

そのままでいてね、と置き書きをして出ていった彼女と再会するなんて、思ってもいなかった。引っ越しセンターの制服を着た僕は顔を引き攣らせていて、一方彼女は驚きもせず、そっと微笑みをくれた。

彼女と出逢ったのはもう10年も前だ。

僕たちは似ているはずだった。好きな漫画を読みあったり、小さなベッドで2人で寝た。夜中に野良猫を探しに出かけた。好きなレコードを聴いて踊った。彼女のおかげで、僕はパスタの作り方を覚えた。六畳の狭い部屋は秘密の花園で、この部屋と君だけあればいいと思っていた。そんな彼女は冬のいつの日か、遠い目をして出て行った。

今の彼女の家はひどく家庭的だった。雑貨屋で2人分買った偽物のバウハウスみたいなコップやスプーンや、使いづらかった蚤の市のヘンテコな皿はもう無く、棚には山崎パンの景品みたいな清潔な食器が並ぶ。となりにちいさい、こども用の皿。アンパンマンとかのそれはセンスなんて全くなく、でもひどく羨ましくなった。彼女は大人になっていた。悲しかった。玄関の写真は子供を抱いて、ふんわり微笑んでいる。

一枚ずつ皿を包んで箱に詰める。女の子はひとりでに女性になってしまう。赤と青の塗り箸を詰める。そのままでいてねと言われて変わらなかった僕の方が悪い。アンパンマンの食器を詰める。子供までいるとは思わなかった。心のどこかで、嘘であれと願った。

彼女は旦那の転勤で西へ旅立つらしい。今度こそ、もう会う事は無いだろう。できればずっと、もう巡り会わなけばいい。あの日の僕の為にも。

そう思ったはずなのに、僕は、代わり映えのしない豆皿を棚から一枚、段ボールでなくポケットにしまった。盗んだことに気づけばいい。その瞬間だけ、きっと、君が忘れたあの日々が脳裏に浮かぶだろう。

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・食べたくもない肉まんを買った

・死んだら食べてね指から

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なんだかバタバタしていて、空いてる時間はずっと家でジム・ジャームッシュの映画を観ていたせいでそんな雰囲気になってしまいました　よっつめのブロック、「秒針ばかり〜眠れない日に」の部分はジャームッシュに宛てた自由律俳句です　独りよがりで自分勝手な主人公はこんなことを考えてたらいいな、と思いました

「愛だよダブルロールのトレペ」はトイレットペーパーの話です。一人暮らしを始めてからケチって一番安いのを買っていたのですが、エリエールを買ったところあまりの違いにトイレットペーパーはやわらかいダブルロールじゃなきゃだめだ‥と気づきました　実家もそうだったので、あれは愛だったのか‥わたしも優しくなろう‥という意味での愛です

今回自由律俳句がうまく書けなくて不安だったのですが、なんとかできた‥ 視界って狭めようとすればいくらでも狭くなっちゃうからもっと広くありたい　つよくやさしくありたい　植木の花とかに気付きたい、なんてことに気づけるから自由律俳句って本当にすんばらしいな‥

今はヒーターの前から動けないままお茶を飲んでポカポカです。すずめちゃんもどうかあっためてね、お茶しましょう🍵　お家に居るので、よければいつでも来てね‥🏠

おやすみなさい🌟それではまたね〜すずめちゃん！

にっきより

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次の更新は12月1日 すずめ園ちゃんの番です🍰

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出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している
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