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「手を広げ雨を数える」


拝啓 すずめ園さま

こんにちわ🌟静かな夜ですね 雨が降っています

雨は苦手だけど、草木が元気になればそれでいいな🌱雨、好きになるために長靴でも買っちゃおうかな

カツカレー、美味しそうですね🍛すずめちゃんに頂いたレモン型のご飯のかたぬき、試してみたら本当にレモンで感動しました‥🍋今度お家でやりましょう オムライスのケチャップライスとかで!

すずめちゃんの自由律俳句、前回もどれも素晴らしかったです

サクラの木の赤い葉っぱ

紅葉もイチョウも良いけれど、桜の紅葉も素敵ですよね

どの紅葉よりも先に紅くなって散ってしまうので、桜はとっても秋に忠実なんだなと思うけれど、終わりかけののんびり葉っぱがちらほら残っていて、それも好きです

桜の葉っぱについての自由律俳句をちょうど考えていたけど思いつかなくて、これが最適解だ‥と思いました シンプルで情緒の詰まった句


つまさき触れて逃がす湯のあわ

これとっても好きです 柔らかくてあたたかい‥ お風呂の静寂のなか、水面にぷくぷくって浮かぶあわが視える

いつか、すずめちゃんと銭湯に行きたい!銭湯好きです わたしのお気に入りの銭湯はブクブクするお風呂があるので、たくさんの湯のあわが逃がせます!えへ

寒いうちにいきましょう♨️ぽかぽかになりたい

実家のタオルがよく吸う

よく吸うタオルって良いですよね バスタオル、上京したときに持って来たのをずっと使ってたら、あんなにフカフカだったのがしんなりしてきちゃいました
そして、実家のタオルがよく吸う、って、どうしてそんな着眼点が出来るのだろう‥と勉強になりました

わたしも実家帰ったらフカフカのタオルが待っていてくれるかな


それではわたしも自由律俳句いきます🍁

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タオルゆれるまにまに眠るひる

風邪をもらった喉のころころ

ぽくぽくの中に居る

↪︎ 繰り返す言葉が好き 言葉になるまえの言葉は大概オノマトペになってわたしの内側に在る 繰り返す言葉のリズムは気持ちよく たとえば春一番の風に似ていると思う 嬉しかったらニコニコ 悲しい時メソメソ ぼんやりしたときぽくぽく 喉はころころ 眠いときうとうと 足並みはてくてく 急行列車はびゅうびゅう 各駅停車はかたかた こんなふうに、日々はオノマトペで完結し、それで完結できるならほんとはぜんぶオノマトペで生きたいな(そっちの方が嘘がないな)とすら思う

この三句はわたしの中で 一番きもちがよい言葉のやわらかいところだけでできた俳句  まにまに ころころ ぽくぽく やわらかいひらがなは うそがない赤子みたいだ そんなふうになりたい

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ひかりの飴玉飲み込んでいる

テディベア直す警備員やさしいゆびさき

可愛い顔が六匹

詰め込んでシマリスのほっぺ

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流しっぱのテレビに軽蔑する

王様のブランチ観る側のひとだ


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すれ違ったシャンプウの気配弾けた

やめて匂いで思い出すから


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ポトフ煮込む母親のまなざし

手を広げ雨を数える

↪︎ さいきんみた美しい光景 しらないおじさんの


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この夢は獏に食べてもらう

血を吐きましたとイチゴジャムつけててへ


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迷子だった 本抱いて歩いた朝は

↪︎

高校時代、図書館のすみっこに根を張って息をしていた。唯一好きな先生は司書さんだった。(司書さんは卒業の時ハンカチをくれた やさしいひと)

一人で東京へ来ていた時期がある。学校の面接だったり、ミスiDのオーディションだったり、どうにか上京するぞと行動していた頃だ。今考えれば信じられない度胸だけど、もちろん、ひとりぼっちの東京はすごく不安だったし、バスは早朝の池袋に着く便で、いつも恐ろしかった(降り場近くのマクドナルドで酔っ払いを横目に朝マックを食べたせいで朝マックにときめかなくなった、ジーザス)

何度目か、東京へ向かう時、図書室で借りた俵万智の「チョコレート革命」を持って行った。池袋に降りたち、酔っ払いだらけで、パセラばっかり開いてて、行き先なんて無かったので、本を抱いたまま、丸の内線で本郷三丁目に向かうことにした 選んだ理由は、名前の響きが好きだったから。駅前の喫茶店に入った。喫茶店で本を読もうと思ったのに、新聞を持ったおじさんばかりで、モーニングは緊張で味がしなくて、飲みかけのカフェオレには不運にも蠅が落ちた。池袋じゃないのについてないな、そう思って店を出た。

街行く人々と逆行して歩く、すれ違うのはわたしより頭の良さそうな小学生とか、難しい顔のサラリーマン  とか。みんな知らないひとだ。これからみんな自分の居場所へ向かうのだ。わたしは今迷子だから、もっと迷子になってやろう、そう思って散歩をしたら静かで心地よかった。

まだまだ時間があったので、駅のホームでチョコレート革命を読んだ。東京の全く知らない駅だけど、本を開いたら図書室で、わたしは硬いベンチに根を張って、おんなじだった。俵万智の飾らない言葉は、ちょっとひどくて、ひとりぼっちのわたしの胸にまっすぐ沁みた。電車を何本も見送って、発車のベルと共に、ほっぺたに風が吹いた。

先日、俵万智展に行ったとき、この日の記憶を鮮明に思い出して、ちょっぴり苦しくなった。

迷子だったわたしはいまだに迷子だけれど、なんとか家を借りて、友達ができて、自分の本棚も出来たよ。あの時借りものだった俵万智の歌集は買い直して、いまも本棚にあるの。俵万智のような才能は二十歳になっても眩しすぎるけれど、君は文学がもっと好きになって、君があの時書いていたiPhoneのメモはまだ続いていて、今日もこうやって文章を書いているよ。

あれからちょっとだけ大きくなったわたしは、あの日読んだのと同じページを読んでいて、ほとんど同じ気持ちで息をしている。大人にもなったけど、お酒も飲めるけど、心の内側は、なあんにも変わっていないみたい。

あの日読んだ短歌をわたしの為に贈ろうと思う。

“   ただ鳥が空を飛ぶようにただぼくは十七歳であることを飛ぶ - 俵万智 ”

17歳 その時の写真 今より手がまあるいね


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長いエッセイを書きました

冬はだいたい体調が微妙で、今日もそんな感じだったのですが、本を読んだり眠ったり文章を書いたり、毎年変わらないなと思います 冬でも元気になれる年がいつか来ると良いな〜 お腹に貼ったホッカイロが優しいです

今回は、最近見たきれいな光景を自由律俳句にしました

雨が降り出した時おじさんが手を広げて空を抱いていた 雨粒を確認して逃げるように屋根の下に入っていました 傘、買えたかな 🌂

雑貨屋にいたら警備員さんが落ちていたテディベアを直していて、ゴツゴツしたその指先がやさしくて泣きそうになりました わたしは落ちてることに気づけなくてちょっと淋しかったです 🧸

金曜日の夜帰宅した時、同じアパートに住んでいる女の子とすれ違いました 女の子からはシャンプーの匂いがして、ちゃんとした服を着ていて、これから誰かに会いに行くのかな、と思いました 🧴

ちょこあ〜んぱんをひさしぶりに買いました 一日中なにも食べてなくて買ったのがちょこあ〜んぱんなのはちょっぴり変だけど、夕焼けの中食べたら甘くって美味しかったです ほっぺに詰め込んでシマリスみたいにしたら、君は笑ってくれるかな 🍞

いろんなものを見て生きています 光景 光の景色、ほんとにそんなかんじがする

すずめちゃんの自由律俳句にも光景が浮かびます 光です もう既に来週の更新が楽しみ‥(そういえばもうすぐクリスマスだ🎄)

鏡開き、したいです!わたし、やったことないかも‥

是非となりでお汁粉すすらせてください きっとそんな冬はぽかぽかですねっ🌅


それではまたね〜すずめちゃん!寒さに気をつけてね


にっきより

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📣トークショーのおしらせ📣

画家、松村早希子さんの「愛のひきだし、みえないお菓子」刊行記念展のトークショーに、ひだりききクラブの出演が決定しました🎊🍰

12/18(土)16:00 予約制
場所:ギャラリーがらん西荻
予約方法は近日発表となります!
絵画と自由律俳句、素敵なイベント間違いなしです
是非お越しください🌟

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次の更新は12月15日 すずめ園ちゃんの番です🎀


『ひだりききクラブ』プロフィール
出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している
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