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紅坂紫「冫」

陽が昇り、季節が移ろい、子供たちは世界の多くを知り、そして忘れた。粉々になった世界の、あなたの結晶がその身へと降り注ぎ、陽光に一瞬の煌めきを託しては消えていく。砕け散った欠片は砕け散ったからこそ幾千万の輝きを放つことができたのであり、失われたことではじめて面影はあらわれるのだ。紅坂紫の紡ぐ言葉たちは、心地よい響きを絶え間なく残しながらいずこかへと軽やかにゆきすぎてゆく。詩歌が言葉の結晶なら、それもいつか溶けてなくなるのだろうか?(編・青山新)

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