見出し画像

教祖ちゃん「KEIHIN NOISE MUSIC」

◆作品紹介

本作タイトルに掲げられている京浜工業地帯とノイズミュージックに共通するのは、双方ともに、機械が可能性の中心として据えられているということだろう。機械はあらゆる側面でヒューマンスケールを超えている。ヒューマンスケールを超える潜勢力があるからこそ、機械は利便性を求める特性を持つ人類の文明史に寄生した。機械は高速で、高精度で、反復的で、プログラム可能で、ネットワーク接続可能で、巨大な力を持ち、そして人間とは本質的に異なる意志を持つ。本作「KEIHIN NOISE MUSIC」は形式的にも内容的にもそのような性質を伴って出力された作品であると、さしあたっては言うことができる、が、そんなことはどうでもよく、まずは何も考えず読んでいただき、異質な断片群たちの高速の出会いに、ぜひともめまいを覚えていただければよいと思う。(編・樋口恭介)

ここから先は

336字 / 17画像
〈anon press〉ではビジネスとフィクションを接続することを目指し、SF作家・文筆家・エンジニア・研究者・デザイナー・アーティストといった多様な方々のテキストを配信していきます。マガジンを購読いただくと過去の記事を含むすべてのテキストをお読みいただけます。

未来を複数化するメディア〈anon press〉のマガジン。SFの周縁を拡張するような小説、未来に関するリサーチ、論考、座談会等のテキスト…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?