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湖畔の森 冬のびわ湖でスローシャッター遊び 「びわ湖の水 止めたろか!」ホントに止めるとどうなる?

 現在、びわ湖の水位が基準を大幅に下回っていることを受けて、滋賀県は1月4日に渇水対策本部を設置しました。本部設置は2005年12月以来18年ぶりで、節水の呼びかけを強化するとしています。
 「びわ湖の水 止めたろか!」という滋賀県民の捨て台詞がありますが、ホントに止めるとどうなるのでしょうか?今回はそんな検証記事です。

 さて、びわ湖からの水の流出口は瀬田川、琵琶湖疎水、宇治発電所取水口の3か所だけですが、それぞれに管轄が違いますので、まずもって滋賀県や知事が独断で放流を止めることはできません。というか、そもそも滋賀県には水を放出したり止めたりする権限が与えられていないのです。

・瀬田川からの流量を調節する瀬田川洗堰は国(国土交通省)
・琵琶湖疎水にある水門(大津制水門等)は京都市
・SMB宇治グリーン発電所(宇治発電所))取水口の水門は関西電力
が管理をして います。

 仮にそれら全てを閉鎖して、びわ湖からの水の流出を長期間止めると滋賀県はどうなるか?
・洪水の発生
・SMBC宇治グリーン発電所による発電量減少
・琵琶湖沿岸部での湖沼環境の変化
・水生生物への影響
など、滋賀県民にとっていいことはひとつもないのでありますね。(^^;)

 中でもびわ湖の沿岸部から浸水し始めて洪水になることはかなりリスクが高い出来事となります。
 実は明治時代には「明治29年琵琶湖洪水水害」と呼ばれる水害が発生してエライことになったことがあります。この時は大雨で排水が間に合わず、びわ湖が溢れて大氾濫。私の住む地区も完全に水没して、1ヶ月以上水が引かなかったそうです。住民は村の中を田舟で行き来し、床の高い寺の本堂に避難したと記録に残っています。

 9月3日から12日の10日間で1008mmの雨量(平均降水量の6割に達する)を記録、特に7日には597mm(彦根)を記録した。
 このため琵琶湖水位は+3.76mの過去最高水位を記録した。浸水日数は237日にも及んだ。
・人的被害
 死者…29人、行方不明…5人、負傷者…79人
・住宅被害
 全壊…3,000戸、半壊…6,136戸、一部損壊…26,365戸、
 床上浸水…35,627棟、床下浸水…22,764棟

明治29年琵琶湖洪水水害概要

 うーん、+3.76mはすごいです。
 当時ヘリコプターやドローンがあって航空写真を撮ったら、びわ湖は一体どんな形に見えたんだろ?と思ってググってみましたら、こんな地図が出てきました。

明治二十九年大洪水浸水区域之図 出典:ウィキメディア

 県内の平地はほぼ浸水していますね。今は湖岸堤が作られているのでこうはならないと信じたいです。^^;

 

 たぶん、今の滋賀県のホンネは、強がりではなく水を止めたい!
 でも止めることはできない!というところなんでしょうね。(^^;)


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