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新年早々「うちの畑は何農法になるんだろ?」と考えた話

 みなさん、あらためて明けましておめでとうございます。
 さて、今年も私のnoteは畑の話から始まります。
 どうぞ懲りずにお付き合いくださいね。

 ばあちゃんが細々と耕していた畑を「あんた、やってくれんか?」と頼まれたのが約2年前。
 その当時のうちの畑は、雨が降ると水はけが悪くて、日照りが続くとカチコチになってスコップも入らないほどの粘土質でした。それでも、ばあちゃんがセッセと鍬で耕して畝を作り、肥料を入れて、雑草を取って世話するとそこそこの作物ができていました。でも、病気や害虫の被害も多くて、やむなく農薬も使ってる、そんな畑だったのです。

 「うん、ええで。」と安請け合いして、丸投げされたこの畑で私が一番に着手したのは「土質改善」でした。で、「土質改善には堆肥が一番やろ。」ということで、最初はホームセンターでバーク堆肥や牛糞堆肥を軽トラ一杯に買って投入していたのですが、そのくらいじゃとても追っつかないし、お金もずいぶんかかるのです。
 そこで私が目をつけたのはタダで大量に手に入る雑草や落ち葉、もみ殻などの粗大有機物。これらはどれもそのままにしておくとじゃまものですが、一手間加えたら役に立つ素材。これらを材料にして無人精米所でこれまたタダで手に入る米ぬかを使って自家製堆肥を作れば、一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもなるわけです。
 幸いなことに、多忙で責任の重かった前職を辞して、仕事を在宅業務一本に切り替えたばかりの私に時間はたくさんあります。早速、好気発酵による堆肥作りを独学で調べ、堆肥枠を自作して調べたことを実験して、失敗と成功を繰り返しながらどうにかこの畑に必要な量の完熟堆肥を安定的に作れるようになりました。
 ま、そういうわけで最初から一貫して私のやっていることの一番の目標は「健全な土作り」。物理性と生物性、化学性の整ったバランスのよい土壌にすることです。いろんな野菜を植えているのは、畑の土がどれだけ健全な状態になったのかを知るためでして、実は「立派な作物を作る」ことが目標じゃないのですね。(^^;)

こちらは籾殻堆肥の仕込み。思えばいろんな素材でたくさんの堆肥を作って来ました。

 さて、ところで現在、日本の農業には大きく分けて次の4つの農法があるそうです。

慣行農法
化学肥料と農薬を使って栽培する従来の農業の総称
有機農法
堆肥を投入し、天然由来の農薬を使用して作物を育てる農法
自然栽培
地力を上げ、生態系の多様性を効果的に利用しながら環境を変えることによって無肥料・無農薬で作物を栽培する農法
自然農法
自然栽培をさらに徹底し、耕起、除草、施肥、農薬散布を一切行わない農法

あくまでザックリとです。厳密に言うとちょっと違うかもですので悪しからず。(^^;)

 では、私が畑でやっているのはどの農法なんでしょうか?化学肥料と農薬を使って栽培する「慣行農法」ではないし、不耕起で除草もしない「自然農法」ももちろん違う。強いて言うなら無肥料・無農薬で作物を栽培する「自然栽培」か、堆肥を投入して天然由来の農薬を使用する「有機農法」が近いのかも知れませんが、私は化成肥料や農薬を絶対に使わないとは決めていませんので、これも違う。

 実は困ったことに私には「こうでなければならない」という農法に対するこだわりが一切ありません。あるのは「健全な土を作りたい」という願いだけですから、そのためによいと思ったことは無節操にどんどん取り入れます。
 今は少しずつですが畑の土壌改善も進んでいますし、ほぼ自家製堆肥とタンニン鉄液だけでそこそこの野菜が作れていますので、必要ないから化成肥料や農薬を使っていないだけです。でも、もしこの土壌で窒素飢餓が起きたら応急処置として窒素分の多い化成肥料を撒くかも知れませんし、手に負えない病気が蔓延したら農薬を使うこともあるかも知れません。

 というわけで、うちの畑は無節操なエエ加減農法。だって、何かにこだわるとどんどん自由じゃなくなって、自分の首を絞めることになるんだもん。
 これが一番私らしいかな。www

 ま、こんなお気楽なこと言ってられるのは家庭菜園だからだよな。生産者は絶対にそんなこと言ってられないよねえ…という話はまた次回。(^^)


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