タンニン鉄液をパワーアップ?する話 番外編 時間がたって透明になったらもう使えないの?
以前の記事で書いたように、タンニン鉄液、再キレート化液、クエン酸二価鉄活性液、水を施してネギの根張りを比較する実験2を終了しました。
その結果、どうやらタンニン鉄液が一番成績がよいということがわかりました。二価鉄の含有量が多くて有利と思われた再キレート化液やクエン酸二価鉄活性液は、ただの水にも負けてましたから、私は
これからもタンニン鉄液一択で行くぞ!
と強く思った次第です。(^^)
さて、そんなタンニン鉄液ですが、今日はちょっと違う話題にお付き合い頂きましょう。
タンニン鉄液は作ってからしばらく放置しておくと真っ黒(正確には濃い紫色)だった液がこのように透明になって、黒いモノが底に沈殿します。巷では「透明になったタンニン鉄液は、キレート化していた二価鉄イオンが分離して効き目がなくなるので、そうなる前に使わねばならない。」と言われています。
私はもったいないので透明になってもそのまま気にせずに使っていますけど、透明になると本当にタンニン鉄液の効き目はなくなるのでしょうか?
以前から一度確かめたかったこの問題。前回使ったパックテストがたくさん余っていますので、ちょいと調べてみることにしました。
課題
透明になったタンニン鉄液ではキレート化していた二価鉄イオンが分離して効き目はなくなるのだろうか?
用意したもの
早速パックテストを用いて、それぞれを20倍に薄めた液中の二価鉄(Fe2+)イオン含有量を調べた結果は以下の通りでした。
わかったこと
タンニン鉄液は作ってからしばらく放置しておくと透明になって、黒いモノが底に沈殿するが、透明な上澄み液にも二価鉄は含まれている。(ただし値は若干低くなっている。)
分離して透明になったタンニン鉄液を振って沈殿物を攪拌すると、二価鉄の値は元に戻る。
比較のために今回新たに作ったタンニン鉄液は、作ってから24時間しか経っていなかったために、キレート化した二価鉄の値が低かったと考えられ、結果的に比較にならなかった。
いかがでしたでしょうか?透明になってもタンニン鉄液にはちゃんとキレート化した二価鉄イオンが残っているということがわかりました。しかも、しっかり撹拌すると二価鉄イオンの値はほぼ元通りです。
参考までにクエン酸で二価鉄活性液を作る方法をググっていたら、「鉄をクエン酸溶液につけたままにして1ヶ月ほど置いておくと二価鉄イオンの濃度がピークに達して、その後は減っていく」という実験データを見つけました。
なぜ1ヶ月を過ぎると値が減っていくのかはよくわかりませんが、その頃になると底に沈殿物が溜まります。この沈殿物はたぶん何らかの原因で錯体が分離して姿を表した鉄です。で、これをよく攪拌すると沈殿物は消えて二価鉄イオンの値はもとに戻るそうです。これは古くなったメネデールでも同じことらしく、開封して長い間放置してあったメネデールはよく振ってから使うと良いとのことです。
というわけで、私は時間が経って透明になったタンニン鉄液をシャカシャカ振っては畑に施していたんですが、どうやらそのやり方で問題なかったようです。
結論
透明になったタンニン鉄液もよく振ったら大丈夫!
めでたしめでたし。