実は飛行機に乗るのは初めてなの、

と少し恥ずかしそうに言った君が

顔を窓に張り付けて、何度も何度も

「あおい!すごい!あおい!」

って繰り返すものだから

僕はすっかり自分が褒められてるような気分になってしまったよ

女みたいで嫌いだった僕の名前

終いにはくるっとこちらに振り向いて

「これがあなたの色ね! 本当にきれい!」

なんて言うもんだから

名前と君をいっぺんに好きになってしまったよ

小さな四角に切り取られた碧空

なお鮮やかな君の貌

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