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【リーダーのお悩み】対話の頻度を確保する方法は?

これまでリーダーがメンバーと対話の場を持つことについて基本的な考え方を書いてきました。今回からはしばらく、当社のプログラム(チームマネジメント塾)の受講者からよく出てくるお悩みへの回答をご紹介しましょう。

おそらく、リーダーのあなたの悩みと重なることもあるでしょうから、参考にしていただけるとうれしいです。

チームメンバーとの対話の頻度はどのくらいが適切なのか

結論から言えば、1〜2週間に1回です。対話の時間そのものも大事なのですが、なにより大事なのは、対話と対話のインターバルでメンバーが行動を起こすことです。対話の結果、メンバーの行動につながらなければ、対話の成果は1ミリもありません。

対話で行動を決めて、行動に移し、その行動について次の対話で話す、というサイクルを回すことが基本形です。そうなると、インターバルが1ヶ月では長すぎます。

お互いに何を行動することにしたのか忘れます。次の対話の前まで先延ばしも可能です。それではこの変化の激しい環境のなかでは遅すぎます。

だから、1〜2週間に1回の頻度が必要です。

でも、対話の時間を確保できません・・・。

自分もメンバーも多忙を極めるなかで、この頻度で20〜30分の対話の時間をメンバー全員と確保するのはとても難しく感じることでしょう。

あなたの場合は、何人までだったら1〜2週間に1回の対話の時間を確保できるでしょうか。おそらく、ひとりなら問題ないのではないでしょうか。でも、10人と言われるとちょっと悩みます。

全員と対話することにこだわらない

1つ目のヒントは、全員と対話することにこだわらない、ということです。
10人のチームメンバーがいたとすると、そのなかで中堅やベテランなど、他の若手メンバーを育てる役割を担っている方がいるのではないでしょうか。その人たちとは対話の時間を確保しましょう。

では、それ以外の人たちは放っておいていいのでしょうか?

そういうわけではありません。もちろん、定期的な対話はしませんが、これまで通り日常の声掛けや仕事のサポートは続けます。しかし、主として若手メンバーへの関与は中堅やベテランに任せてもいいのではないでしょうか。

その場合、中堅やベテランとの対話で、若手の育成についてもテーマにすることになるでしょう。

頻度に差をつける

もうひとつのヒントは、メンバーの状況によって頻度に差をつけるという方法です。

新しい役割を任せたばかりとか、重要な案件に取り組んでもらっているとか、高頻度で関わったほうがいいメンバーに対しては週1回、そうでないメンバーには2週間に1回というように、メリハリをつけることも選択肢にしましょう。

平等でなくても公平であればよい

ふたつのヒントをお伝えしましたが、対象を絞るにせよ、頻度にメリハリをつけるにせよ、平等でなくていいんですか?と気にするリーダーもいらっしゃいます。

これについては、平等でなくていいんです。「同じチームにいるメンバーなんだから平等に全員2週間に1回にしなくてはいけない」というのは単なる思い込みです。しかし、公平であることは必要です。

平等と公平について一目瞭然のイラストがあります。特に説明の必要はないでしょう。

出所:https://interactioninstitute.org/illustrating-equality-vs-equity/

大切なのは毎回の対話の質

多忙な中でチームのメンバーと対話の時間を取ることは大変なことです。

しかし、その対話の中で、滞っていた仕事が前に進んだり、考えが整理されたり、あるいは新しいアイデアが浮かんだり、ということが生じれば、30分の投資は何倍ものリターンになって戻ってきます。

そのような対話の質が実現するには、しばらくの時間がかかるのが常なのですが、そこを乗り越えられれば、リーダーのあなたにとっても、メンバーにとっても、必要不可欠な時間になるのです。