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12月19日オコパー・タコパーの日

 しおしおて、取り残されたことを嘆いている様な波立つ肌が、私の視線を捕らえて離さない。食べてと言っているのか、食べないでと言っているのか定かでないが、にこにこ笑顔でないことは確かである。

 キャベツさん。

 一個も食べきれないよねと思いつつも半分を買うより安かったが為に買ってしまったまるまる一個だった。案の定半分を少し下回る程度分が残ってしまった。ついでに人参さん、3分の1本も。

 揚げ玉、紅ショウガ、焼きそば半玉、明日が期限の生卵2個。

 つまり、ちょっとの残り物がたくさんある。困ったなぁ、などと言いつつもちょっと笑ってみる。こんな時は決まってパーティーだ。

「はーい!今日のお昼ご飯はパーティーだよー!!!」

 遅く起きた土曜日朝。朝ご飯もそこそこ食べた頃、もうお昼ご飯の話をする私に夫は少し驚いていたが、子供たちは大喜びである。

「やったー!!!パーティーだ!」

 7歳の長男も。

「パーチーパーチー」

 3歳の次男に。

「だっだぁ」

 0歳の長女・・・・・・はさすがに分かっていないようだけれど、ともかく、子供たちは大喜びである。

『パーティー』と言う響きに。

「何のパーティー?」

 分かっていて大喜びしたわけではないのだ。そんなことは知っている。だから私は慎重に伝えなければならない。

「なんと!」私が言い、

「なんと?!」長男が聞き返し、

「なっとー?」次男が言い換える。

 長女は・・・・・・以下略)

「あたり付きお好み焼きパーティーです!」

「なにそれ!あたり付きなの!?やったぁ」

 またも『あたり』と言うワードだけを持って大喜びする長男。なんと可愛い息子だ。

「大当たりのエビを3つゲットした人にはおもちゃお菓子を買って良いチケットをプレゼントします!」

「まじで!?やったぁぁぁぁぁぁ」

 おもちゃお菓子とは、我が家にのみ分かる(だろう)言葉である。いわゆる玩具付きおもちゃ。ラムネ菓子がついている、スーパーのお菓子売場の中ではちょっとお高いお菓子なのだ。普段は決して買わないこのおもちゃお菓子だが、今回は買ってあげたいと思っていたのだ。

 風邪が流行る昨今、クリスマスもお正月も、いつもみたいに外食をするのは止めようと夫と決めた。そのかわり、小さなプレゼントやパーティーをちょこちょこ子供たちに与えようと思ったのだ。家族パーティーを開いて盛り上がり、小さな景品でもあれば子供たちはこの通り大喜びなのだ。

 そして、私はパーティーの食事作りによって冷蔵庫が整理されることで大助かりである。

「お好み焼き、ちょうど食べたかったんだ。前におじいちゃんの家で食べたときに好きになったんだよね」

 長男が嬉しそうに言い、そう言えばそんなこともあったと思い出す。私の実家もよくお好み焼きパーティーを開いてくれた。景品なんてなかったけれど、パーティーと名がつくだけでやっぱり兄弟と大騒ぎして遊んでいた。

 子供が喜ぶお好み焼きパーティーは大人も喜ぶ一大イベントだ。

 切って混ぜて焼くだけのお好み焼きは、家族の一大イベントになりうる主役級のご飯である。
 毎日をパーティーにしよう。



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【今日の記念日】
12月19日 オコパー・タコパーの日

「オコパー・タコパー」とは「お好み焼パーティ・たこ焼パーティ」のこと。お好み焼とたこ焼はみんなで調理を楽しめて食卓が盛り上がるだけでなく、食材費も安く出来る素晴らしい団らんメニューであることから、お好み焼粉、たこ焼粉を製造販売する日清フーズ株式会社が制定。日付は家計に優しい料理なので給料日前となることの多い毎月の第3土曜日としたもの。


記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。

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