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9月19日 育休を考える日

    今日から俺は・・・・・・って流れの話ではないけれど、実際に今日から俺は『育児休業』を取る。取る、と言うか取ったし今取っている。

 最近の国の施策や企業の流れから男性も育児休業を積極的に取れる世の中にしたい向きになってきているようで、俺の勤める会社でも昨年度に制度が出来た。子供が生まれた男性社員には必ず声をかけ、3年以内のどこかで必ず取得するようにと各部の部長に重役から号令がでているようである。

 斯くして、俺は妻の産後2ヶ月目になるタイミングで取得することにしたのだ。初めての出産だったが、幸運にも母子ともに無事に出産出来、つい先日まで車で1時間以内の妻の実家に里帰りしていた。その間、俺は出来るだけ顔を見に仕事帰りに寄ったり、週末に会いに行った。

 可愛い可愛いと初孫にメロメロの義両親同様、俺もだっこしてはずっと娘を見つめていたものだ。


 今になって後悔しています。


 お世話的なものを全然してこなかったのである。

 だからこの限られた育児休職の序盤で世話の仕方をちゃんと身につけて帰ってきた妻の負担が少しでも減るように頑張る所存です。

 育児休業を取ると言うことは、当たり前だけれど育児をするのであって、これもまた当たり前だし今更だけれど、それによって親の自覚が芽生えるだろう。この子を自分が育てていくのだと言う覚悟。

 そう言う気持ちが育児をする中で芽生えてくると、自分にとっての家庭における最適な役割は何だろうと思ったときに、やっぱりしっかり稼いでくることなのだと考えた。もちろん育児は協力して行うことを前提にして、だが。

 そしてその働く自分の背中を胸を張って子供に見せられるようにするには(背なのか胸なのか・・・・・・)、仕事に真剣に向き合って行くことも必要なのだ。

 育児はもちろん子供たちが巣立つまで夫婦で協力して行っていく。けれど今現在の我が家においては、1ヶ月限定の俺の育休に対し妻は1年取得を予定してくれている。俺にとってはこの1ヶ月で最大のパフォーマンスを達成し、仕事に復帰したときには子供の為に俺なりの育児の一巻とした仕事への取り組み方を確率したいわけであり、それは・・・・・・。

「長いわ」

 俺の長考の間に妻が起きていたようである。

「いや、この育休に対する俺の熱い思いを熟考していてだな」

 しどろもどろで答えようとすると、妻はふっと息を吐き出して笑った。

「よく分からんけれど、あなたなりにこの育休に覚悟を持って取り組んでくれるってことね」

 彼女が要約してくれ、俺は勢いよく首を縦に振った。

「いきなり全部完璧になんて少しも求めていないからそんなに気張らないで。子供のことももちろんだけれど、私の事をちゃんと思っていてくれたらそれでいい」

 そう言って妻が優しく笑った。

 母の顔である。

 俺も真剣に彼女に向き合っているけれど父の顔になれているのだろうか。

「何より、そんな風に真剣に考えていてくれたんだなって思って私は結構今、嬉しいよ」

 母の顔に混ざって、いつもの妻の顔も出る。

 俺は不意にきゅんとする。


 男性の育休で育つのは子供への愛情だけじゃないのかもしれない。

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【今日の記念日】

9月19日 育休を考える日

大阪府大阪市に本社を置く、総合住宅メーカーの積水ハウス株式会社が制定。同社では「男性社員1ヶ月以上の育児休業完全取得宣言」をするなど、男性の育児休暇について積極的に取り組んでいる。記念日を通して多くの人に男性の育休について考えるきっかけにしてもらうのが目的。「イクメンフォーラム」を開催して、男性の育休実態などの調査について発信していく。日付は9と19を入れ替えた19と9で「育(19)休(9)」の語呂合わせから。


記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。

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