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11月9日アイシングクッキーの日

 サンタさんは何色のどんな絵が好きだろうか。
 6歳の娘は今、真剣に考えている。味ではなく、色や絵で悩めるのはアイシングクッキーの醍醐味の1つだと思う。

 ハロウィーンが終わり、街を歩けばいつの間に準備をしたのだろうか、すでにクリスマス仕様である。店ではグッズやクリスマスツリーが売られているし、街は音楽が流れ、夕方18時に彼女を保育園に迎えに行く頃には駅前のライトアップが綺麗である。

 娘も感化されたのか、クリスマスプレゼントは何をもらおうかと日がな考えているのだが、今日は少し違うようだ。

「保育園で絵本を読んだんだけど、どの本を読んでもサンタさん、プレゼント配ってばかりなんだよ」

 サンタさんとはそう言うものだと思うのだが、彼女が何を気にしているのかがよく分からず、うんうんと頷いて聞いていた。彼女は続ける。

「よい子にプレゼントをあげましたって書いてあるものばかりでさ、サンタさんもプレゼントをもらいましたって書いてある絵本がないんだよ」

 ああ、なるほど。確かにそうだ。サンタさんはいつもみんなにあげるけれど、もらうという話をなかなか聞かない。もしかしたらそんな絵本もあるかもしれないし、読み聞かせしてもらっているかもしれないけれど、それは子供の記憶、覚えていないものだ。

「そうだね、ママも聞いたことないな」

 私が同調したことに興奮したのか、娘はダダダっと台所にやってきた。

「でしょ!!だからさ、さやがプレゼントをあげようと思ったの」

 嬉しそうに言う彼女、さやの笑顔は溢れんばかりだった。どこか私までわくわくさせられる。何をプレゼントするの?と彼女に聞いてみる。

「お手紙とケーキを作る!」

 お手紙、は良いとして、ケーキはどうだろう。私が察するに、手紙とケーキをクリスマス前日の夜に枕元に置き、翌朝それがなくなっている代わりに自分のプレゼントが置かれていると言うイメージである。その場合、サンタさんが持っていったと見せかけるためにも、私と夫がケーキを秘密裏に処理(食べる)することになるわけだが・・・・・・。

「小さいケーキだよね」

「ううん!おっきい丸いケーキ」

 ホールケーキ!!だと思ったけど、現実的に考えて難しい。作るのも大変だし、彼女に内緒で食べきれるとも思えない。何か彼女の納得する手作りのもので気軽に作れる素敵なもの。考えて、意外とすぐに出た。

「よし!アイシングクッキー作ろう!」

「なぁに、それ」

 先日買った子供雑誌に作り方が載っていたことを思い出す。子供向け雑誌だけあって、材料も手順も簡単に出来そうだ。雑誌を見せると、さやの目がきらきらと輝いた!

「可愛い!きれい!サンタさん喜ぶよ!これ、絶対おいしいね」

 すでに食べたかのようにおいしそうな顔で笑った。うんうん、実はママも一度作ってみたかった。

「じゃあ、どんな絵を描くか考えよう」

 私はそう言って、夕飯の準備を途中で放り、ノートと色鉛筆を持ってきた。もちろん私の分も。今日の夕飯はレトルトカレーに決めた!

「サンタさん、どんな絵が好きかな」

 さやはすでに何個も絵を描いている。
 アイシングクッキーは作る前、作るとき、食べるときと3度楽しめるのかと思い、早速私も楽しんだ。

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【今日の記念日】

11月9日 アイシングクッキーの日

兵庫県芦屋市に本部を置き、日本で初めてアイシングクッキー講師を養成する認定講座を作った一般社団法人日本サロネーゼ協会が制定。アイシングクッキーの楽しさや技術を全国に普及させることが目的。アイシングクッキーとは砂糖やクリームなどでデコレーションしたクッキーのことでクリスマスやバレンタインのお菓子としても喜ばれる。日付はアイシングクッキーが作りやすい気候であり、11と9で「アイ(11)シングク(9)ッキー」の語呂合わせから。


記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。

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