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9月5日 計画と実行の日

    夜なのか朝なのか、分からないけれど3時に起きる。

 コーヒーを入れて牛乳で割り、スイーツがあればそれをいただく。

 今は趣味だけれどいずれは本業になるようにと小説を書く。頭を悩ませながらも1時間ほど書き続ける。

 そうして再びのコーヒーブレイクで、今日の夕飯を考えたりする。なすと挽き肉があったから麻婆なすでいいだろう。

 そんなことを考えつつ、PCの電源を付ける。

 資格の勉強を始める。今月中にはいい加減合格したい。ITに絡む資格なんて本当はあまり興味はないのだが、仕事上で必須になりつつあるので取っておきたいのだが、実はすでに2回落ちている。だから、次がラストチャンスと思って今回こそ勉強をちゃんとしなくてはならない。

 そんな目下の資格試験なんかもあるけれど、この10年くらいずーっと英語をはなせるようになりたいと思っているので、年間契約したTOEICアプリをそろそろ使わなくてはもったいなさ過ぎる。

 一方で仕事に絡むもう一つの資格も取ろうかななんて考えているので、それも気になっているところだ。

 ここまでで3つの資格取得を将来的に考えているが、まだ1つも合格、ないし納得の行く結果になっていない。

 いや、そもそも試験さえ受けていない。

「ママー」

 5時を回るころ、2階から次女の呼ぶ声がする。

 私はペンを置き、そろそろと階段を上り彼女の元に向かう。

 疲労など取れていない体ではこの時間の布団ほど悪魔の誘いはない。


 気づけば8時であった。

 両手に抱える長女と次女、その先にいる夫がそこにいる幸せを噛みしめて、私は涙した。


 計画した通りに進まない。

 本当であれば日曜日である今日は3時に起きればこの時間までで5時間は私のやりたいことが出来る計画である。

 それなのに、予定の1/3も終えていない。

 辛うじて小説を進めるまでは出来たけれど、資格の勉強なんて全く手を付けられていないのだ。同じようにして前2回も勉強不足で不合格だった。もはや勉強不足なのかそもそも私の能力が足らないのかの判別もつかない。このままでは次回の試験までもやはり勉強不足である。詰め込めば楽勝ですよ、と言った後輩の顔が浮かび、唇を甘く噛む。

 ポン、と暖かな何かが私の頭に触れた。

「おはよう」

 その暖かさに、私はやっぱり涙する。全然思うように出来ないのだと小さく伝える。

「でも、小説は書けたんだろう?それで十分じゃない」

「でも、もっとやらなきゃならないことがたくさんあって・・・・・・」

 私が言うと、夫はそっと頭を撫でた。

「それはさ、出来ないことが問題じゃなくて、そもそもの計画に無理があるんじゃないかな」

「分かっているけど、それでもこの時間にしか出来ない」

「じゃあ、この時間じゃない時間で出来るようにしよう」

 そう言うと、夫はそーっと布団から出て私の手を取ってくれた。

「モーニングをどこかで食べておいで、それでやりたいことを進めておいで」

 私はありがとうと返し、着替えをする。すると彼はまた笑うのだ。

「そう言う時間を、一緒に考えようよ」


 計画して、実行して泣くことは1人で出来る。
 でも2人だと、泣かずに成長出来るのかもしれない。
 誰だって、いつでも誰かに頼っても良いのである。

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【今日の記念日】

9月5日 計画と実行の日

「計画と実行」を理念に事業支援を行う株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズが制定。計画(Planning)を立てて実行(Execution)することの大切さを、世の中に広めていくのが目的。日付は計画の計の字が9画であり、実行の英字のExecutionの頭文字Eがアルファベットの5番目であることと、同社の設立日が2001年9月5日であることから。

記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。

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