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PARIS,心に5文字の焼き印

パリは多くの人を魅了する街。そんなことは言い尽くされてきただろう。

バッグや手帳なんかにこの5文字が印刷されているだけで、何だかオシャレに見えてくるのは…私だけではないはずだ。

高校生の頃にパリが舞台の本を読んだことがきっかけで、いつか行ってみたいと熱望していた。


運良く望みが叶い、人生初めての海外旅行は12月のパリだった。

大学で美術史を専攻していたので授業で習った絵画を実際に鑑賞しましょう、という主旨の研修旅行だ。


関西国際空港から出発しパリには夜遅くに到着したので、街の様子は翌日までお預け。


翌朝、起きて外を見ると真っ暗だった。ホテルで朝食にクロワッサンと熱々のショコラ・ショー(ホット・チョコレート)を選んだ。翌日の朝もこれにしよう、とすぐに決めた。


初日に訪れるのはルーブル美術館。

まだ薄暗くて寒いパリの街を歩き地下鉄に潜り込む。通勤する人々で混雑しており、殺伐とした様子にちょっと怖いな…と思いながら目的地到着。

こちらの出口がルーブル美術館、という案内に従って階段を登った。


狭い地下道を出ると、朝の薄明るいブルーの清々しい空の下、ガラスのピラミッドと宮殿だった美術館が威風堂々と建っていた。

視界の端から端まで空と宮殿。

そのスケールに圧倒された。

パリが私の心に未だに消えない、PARISという5文字の焼き印をジュッと音をたてながら押した瞬間だった。


美術館の中に入っても作品の見せ方のセンスの良さに舌を巻いた。

先ほどのガラスのピラミッドの下は逆三角形のピラミッドとなっており、なんとも不思議な空間だ。つい、上を見上げてしまう。ガラス越しに外の光が輝いていた。


大広間の階段の上にサモトラケのニケの像が飛んでいるかのようにそこにいた。羽の生えた勝利の女神。頭部と両腕はない。階段を登り切った頭上に展示しているので鑑賞者は階段を登りながら、徐々に巨大なニケに近づける。


室内に入ると元宮殿なだけあって、壁や柱は華麗な装飾が施されている。絵画を引き立てながら、その世界感が額を抜け壁や柱を通じ空間に広がっているのだ。これは同じ作品を借りてきて日本の美術館で白い板に吊り下げられた状態で鑑賞するのとはまた違う。


一日かかってもルーブル美術館の作品を全部見ることは出来なかった。レポートを提出しないといけないので他の美術館も巡った。

オルセー美術館、ロダン美術館、国立近代美術館…、とにかく歩き回った。


そのなかでドラクロワ美術館は元々、ドラクロワ自身が住んでいたアパルトマンだったので他の有名美術館と比べるとこぢんまりしていて、到着するなりお気に入りになった。見つけるのが少し難しいところも好きだ。


美術館巡りをすることは同時にパリの街並みも堪能できる。

素敵な雑貨屋やアンティーク店が軒を連ねる。勇気を出して扉を押して入ってみると個性的な空間がそこに広がっていて、店主のセンスの良さを味わえる。

外に出て、パリジャンがフランスパンを片手で持ち早足で歩いているのを見ると

「あ〜、本当にパリにいるんだなあ」としみじみ思った。


また訪れるときは、ゆっくり1ヶ月位アパルトマンに泊まってみたい。とても気になっている青い屋根裏部屋が良い。

有名でもないスーパーで買った、安いパンとバターの組み合わせがびっくりするほど美味しかったので、滞在中は自炊でも十分美味しい料理ができそうだ。

まだ見るべき美術館は沢山あるし、オペラ座でバレエ鑑賞も。バレエは言葉を発しないから堪能できるはずだ。

エコバッグに食料を買い込み、街に溶け込むように歩けたら最高だ。









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