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作詞

3
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静かの海

静かの海

口ずさむ
街灯に浮かぶ雪に
溶け込んで
足音ををつい止める

マンションの
モザイクを晴らすように
帰りを急く
足早な人波

青い月が
長い睫毛を垂らすように
微睡む

カーテンの
裏地の海を割って
光を背に
吠えてる黒い犬

遠く月が
そっぽを向いて
頬を染めはにかむ

すっかり
温くなった缶コーヒー
裸の左手

綿雪が
肌で喘いで沈んで
指先から
私は夜に馴染む

道端

道端

蚯蚓が干涸び死んでいた
“そこのけ…” 蟻達 貪って
頭か腹か 判らぬ欠片を
高々と掲げ 家路へと

赤茶の破線は 巣へ帰る
影って たちまち 通せんぼ
穢れを知らぬ 無垢な靴底は
血もなく潰れた 虫連れる

容花

容花

駄目って言ったところで
止めてくれないんでしょ

雨のひま洩る部屋で
汗が冷めぬように
脚を埋め合う

貴方 欲しいのね
タダで 私の心を
可笑しい人

ならば 聞かせて
たったね 一つの言葉よ
朝に死ねるよう

繋いでいたはずが
完全 に見失って

蒔いた種は乾いたまま
育ってしまって 蔓を巻いて
喉に絡みつく

貴方 欲しいのね
タダで 私の心を
優しい人

だから 聴かせて
たったね 一つの

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