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The Path to Enlightenment Ⅱ 悟りへの道 ルアンポー・プラモート師

仏教のゴール

仏教の究極の最終地点はどこにあるのか?という答えは”どうやって苦から完全に自由になるか”ということです。

 多くの人はこの苦から自由になるという探求を見落としています。その代わりに幸せを追い求めています。なぜならば身体と心の真実とはこれらが苦の原因の全てであり、幸せは永続しないということを認識していないからです。幸せを追い求めれば求める程、苦から遠ざかれば遠ざかる程、心に重しが掛かり苦はより大きくなるのです。どれだけ幸せを得たとしても決して十分ではなく永続するものでは無いのです。いつまでもゴールが遠ざかるようなものなのです。幸せは永遠に続くものを探し求めて私達を誘惑するのです。
 事実、私たちが追い求めている幸せは決して到達できない幻想なのです。あれさえ手に入りさえすれば、これさえ避ける事ができれば幸せであるはずなのにと考えているのです。私達は健康、家族、親戚、友人、名声、権力、喜びなどが幸せを運んでくると無意識に信じているのです。私達は真実は何かを知らずに大変な努力をして幸せを手に入れようとしているです。
 仏教は幻想であるような幸せを追い求めようには言っていません。その代わり生きる事の真実である苦を理解する様に教えているのです。苦について直接の目的と答えは、何が原因でどのように苦から自由になるかということなのです。苦難を徹底的に理解することによってのみ、私たち目の前に安楽が現れてくるのです。
 ある人は仏教は極端に悲観主義であるという人もいます。なぜならば生きることは苦しかないという態度に見えるからです。しかし、問題はそこでは無いのですが今話し始めると哲学的な議論になってしまうでしょう。素直にこの本を最後まで読みブッダの伝えた苦についての教えを注意深く学ぶならば、疑念が生じる余地なく真実が明らかになるでしょう。(続く)

The Path to Enlightenment II Venerable Luangpor Pramote


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