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私がソーシャルビジネスを立ち上げた理由

こんにちは。Adelanteの堀口です。

今回は弊社の飾り付けアイテムブランド「SOL LUNA」を立ち上げるに至った経緯と、その理由についてお話します。

前回のnoteで少し触れましたが、SOL LUNAの商品はパーティーデコレーションの文化を持った国から来た、日本に住む日系ペルー人女性たちがすべてハンドメイドで作成しています。商品の作製だけではなく、商品のデザインや企画も彼女たちが発案し、日本人スタッフと一緒にブランドを運営しています。

では、なぜ彼女たちとブランドを立ち上げたのか。それは私の育った環境や経験、そして偶然の積み重ねがありました。


「なんで安奈ちゃんはお母さん外国人で私と同じなのに、大学にいけたの?私の家はお金がないから大学とか行けないよ」



私は父親が日本人、母親がコロンビア人のダブルです。母親が母語教育に力を入れたおかげでスペイン語も不自由なく話すことができます。
自身がスペイン語を話せることがきっかけで大学時代は日本で暮らす「外国にルーツを持つ子どもたち」の母語教育、日本語教育を支援する活動をしていました。
見出しのセリフは、外国にルーツを持つ子どもたちの母語教室で活動していた際、小学4年生の子どもに実際に言われた言葉です。
この言葉を聞いた時、なんと返事をしたらいいのかわからず頭が真っ白になりました。実は私も父親が借金を抱えていたことが高校3年生のころに発覚し、母親が仕事を3つ掛け持ちするなどサポートしてくれなければ、大学に進学できていませんでした。もちろん大学の学費はすべて奨学金を借りてまかなっていましたが、その選択肢があると知ったのも、高校時代の恩師が教えてくれたからでした。(この話は長くなるのでまた別の日に)

「私もお金を借りて大学に通ってるよ。何かやりたいことがあるならきっと叶える道はあるよ。」
そんな薄っぺらい言葉を返した記憶がありますが、その子がどう受け取ったのかはわかりません。
小学4年生にして、すでに将来を諦め悲観ししている。親が外国人であるから、自分がダブルだから、家が貧しいから、この子があの言葉を発するまでにどんな経験をしてきたのでしょうか。

その後、大学を卒業後は在日外国人支援のNPO法人に勤め、たくさんの在日外国人の方に出会ってきました。NPOで1年勤めた後は大学院に進学し、外国人女性支援について研究を続け、気がつけば8年以上にわたり、彼女たち、そしてその子どもたちに関わってきました。

外国人支援を長年続けてきて、冒頭の子どものように将来を諦めてしまう子どもたちにたくさん出会ってきました。また、その保護者たちも子どもたちに教育を受けさせたいと考えているものの、不安定な経済事情や日本語の壁による情報不足、心の壁などにより、様々な課題に直面していることを知りました。

「外国にルーツを持つ子どもたちが将来を諦めない社会を作りたい。」

そのためには保護者たち、特に母親が経済的に自立し、生活が安定すること。そして親の生活が安定することで、その子どもたちの生活も安定し、十分な教育を受けることができるのではないかと考えました。

では、どうやって経済的なサポートをすることができるのか。これまで勤めたNPOでは助成金や寄付金が主な資金源だったのですが、用途が予め決まっていることや収入の不安定さが大きなネックでした。
そんな時、大学院時代にたまたま参加したワークショップで「ソーシャルビジネス」の概念を知り、まさに自身がやりたいと思っていたことに名前がついたような感覚になったことを今でもよく覚えています。

ソーシャルビシネスを立ち上げ、外国人女性たちが経済的に自立し、生活を安定させることを目標にしよう。

この時点ではどんなビジネスにするか全くの白紙でしたが、この思いが、後にSOL LUNAを立ち上げるきっかけとなりました。

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