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レゾナックが取り組む「共創型人材」の育成に向けて経営幹部と従業員がどのように連携しているか?【横浜人事カレッジ#7】

こんにちは🌸
ダイバーシティ&インクルージョン推進を組織と人の側面から支援するAn-Nahal(アンナハル)です。
 
2024年9月に、An-Nahalが企画・運営する横浜人事カレッジの第7回を開催しました🎉

🏫横浜人事カレッジとは?
昨年度から始まった横浜人事カレッジは、2年目を迎えました!
イノベーション推進が加速する企業において、「人事」としての役割・視点・知識をゲストや企業の垣根を超えた参加者との越境体験のなかで共に学びあう、横浜未来機構主催のコミュニティです。

毎回異なるテーマに関連するゲストの経験やリアルな事例を学べるイベント、様々な企業の人事担当者との交流や情報交換ができるオンラインコミュニティに参加できます。

前回はJR東日本の小西さんをゲストにお招きし、イントレプレナーの取り組みと経験をお話しいただきました。
 
詳しい内容はこちら👇

今回のテーマは、「企業文化」と「共創型人材」です。
 
2023年に旧昭和電工と旧日立化成が統合して誕生した株式会社レゾナック・ホールディングスは、文化や価値観の異なる二社の統合にあたり、ステークホルダーとの共創を通じて、従来とは違う発想で技術を組み合わせ、新たな機能を実現する「共創型人材」の創出を目指した「共創文化」の醸成に取り組んできました。
 
ゲストに、共創文化を浸透させるために新設された「カルチャーコミュニケーション部」より雪野亮さんをお招きし、新たな企業文化の浸透や共創型人材育成をどのように進めてきたのか、リアルな実践経験をお話しいただきました。
 
企業文化を浸透させるために実施した施策や、人材育成のために人事としてできることとは?
そのヒントを探った当日の様子をお届けします🎤


ゲストスピーカーの紹介

株式会社レゾナック・ホールディングス
カルチャーコミュニケーション部カルチャーカルティベーショングループ グループリーダー/雪野 亮

2003年(旧)日立化成工業株式会社(現 株式会社レゾナック)入社。無機材料営業部にて海外営業、ヨーロッパにて自動車部品向け営業(ドイツ駐在)、経営企画業務(社長秘書)、欧米顧客向け半導体材料マーケティング業務(アメリカ駐在)を経て2023年1月より現職。
現職では、企業理念(パーパス・バリュー)浸透、企業文化醸成、グローバルアワードの企画運営、グローバルエンゲージメント調査の企画運営等を担当。

「認知・理解促進」「実体化・自分事化」「自走・仕組み化」の3つのフェーズ

 
レゾナック・ホールディングスが実施している企業理念の浸透プロセスは、統合の前の2021年から未来創造プロジェクトという社内の合同プロジェクトから始まりました。従業員全員が会社のビジョンを「自分ごと」として捉え、日常の一部として自発的かつ自律的に考え行動する組織文化を目指して進められてきました。
 
企業理念の浸透を行うにあたり、「認知・理解促進」「実体化・自分事化」「自走・仕組み化」の3つのフェーズで段階的に進めているとお話いただきました。
 
1.認知・理解促進:まず全社員にパーパスとバリューを認知・理解してもらうことから。経営層が本気度を示し従業員の関心を高め、組織の壁を超えた対話と未来について前向きな議論を行う土壌づくりを目指しました。
また、グローバル規模で数千人単位のオンラインワークショップを開催し、『2030年のレゾナックの理想像』を全社員で共有しました。
 
2.実体化・自分事化:パーパスとバリューを自分の仕事に関連付けることで、立場が関係なく社員一人ひとりが全社的な視点を持ち、パーパス・バリューの実現に必要な組織文化を目指しています。2023年後半からは自分事化をさらに推進し、全社的な視座と共通の未来観の醸成に力を入れています。
 
3.自走・仕組み化:レゾナック・ホールディングスの価値創造の源泉は共創であり、社内の様々な部門だけでなく、ステークホルダーとの共創を通じて新しい機能や革新を生み出すことを目指しています。そのため、最終的にはパーパスとバリューを組織に深く根付かせ、コンピテンシーモデル(=人材要件)に落込み、日常的な意思決定や行動の指針として機能させることを目標としています。

自社の強みを活かした施策作り

この3つのフェーズを推進するための具体的な施策をお話しいただきました。
1.グローバルアワード:レゾナック・ホールディングス全体で実施されているグローバルアワードは、バリューの実践例を共有し表彰しています。昨年は1万1000人以上、900チーム以上が参加する大規模なイベントとなりました。チーム同士の交流や情報交換を促進し、バリュー実践のナレッジ共有の場となっています。単なる成果だけでなく、目標設定やプロセスも評価基準になっています。
 
2.CEO・CHROによる拠点訪問とワークショップ: CEOとCHROが各事業所を訪問し、ワークショップを実施しています。各拠点の課題や悩みを聞き取り、バリュー実践を通じてどのように解決できるかを拠点長や事業所長と共に考えます。昨年は34拠点で800名以上が参加し、現場の声を直接CEO・CHROに伝える機会となっています。
 
3.タウンホールミーティング: 63回以上実施されているこの取り組みでは、当初の一方的な説明会から、経営陣と従業員の双方向のオープンなコミュニケーションの場へと進化しています。経営陣が現状の課題や展望を率直に語り、従業員から直接質問やコメントを受けることで、相互理解を深めています。
 
これらの施策に共通しているのが、レゾナック・ホールディングスの強みやリソースを活かしながら内製で取り組んでいることだそうです。
また施策実施に合わせて、積極的な対外発信を行うことで企業ブランディングにも力を入れていることをお話しいただきました。

「企業文化の変革を実際に取り組んでいる本人から近い距離で話を聞くことができた」「同じようなミッションに取り組む同志と会えた」

 
雪野さんによるゲストトークの後は、参加者同士でグループディスカッションを行いました「企業文化の浸透に向けて、各部門がどのように連携して取り組んでいるか / 取り組んでいけるとよいか」というテーマに関して、アイデアを共有しました。
 
人事や新規事業開発など様々な企業・部門に所属している参加者の皆さんからのコメントを紹介します!

  • 「共創」というキーワードを掲げる企業が増えている中、レゾナックさんがなぜ「共創」に取り組み、そのゴールへどうやって辿りつこうとしているのか課題も含めて知ることができた

  • 企業文化の醸成と浸透は粘り強くやり続けることが大切だとわかった

  • 現場とのやり取りなどリアルなお話が聞けてよかった 

まとめ

雪野さんのお話から企業文化の醸成は、一歩ずつ社員の理解を深めていくことが大切だと学びました。
 
また、今後はAIツールの活用やデータ分析などの施策を通して、従業員の幸福度向上やさらなる共創文化の醸成を目指して「化学の力で世界を変える」というパーパスの実現を目指しているとのお話が印象的でした。

人の共感を呼ぶ施策はもちろん、デジタルでしかできないことや、人事としてできること、経営層や意思決定者を巻き込むための方法など、様々な側面から包括的に施策を行うことが必要であるとたくさんの学びを得られた時間でした。


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