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温泉の廃湯熱でカカオ栽培!?
宮城県川崎町の青根温泉で,(株)百(もも)さん,青根温泉旅館「坊源」さん、(株)馬渕工業所さん、東北大,長岡高専の研究者たちが,温泉の廃湯熱を利用したカカオの温室栽培に挑戦しています!
私も特に何かができてるわけではないのですが、青根カカオプロジェクト見守らせていただいているので,彼らの活動をご紹介します!
廃湯で何をする?
そもそもこのプロジェクトの始まりは,「百(もも)」の拠点のすぐそばの、青根温泉の熱をもっともっと活用できないかということから検討を始めました。
青根温泉の源泉温度は、発電するほど高くなく、また、入浴前の源泉を使ってしまうと、浴槽に使うまでに冷やしてしまう可能性もある、というので使い終わった「廃湯」に着目しました。
廃湯で何をする?
作るには、付加価値の高いものを作らねば,と考えた地域の方々。
町ゆかりのあの人
川崎町には,ゆるキャラ「チョコえもん」がいます。
なんでも、日本人で初めてチョコレートを口にしたとされる町ゆかりの支倉常長のお墓が川崎町にあることから、生まれたキャラだそうです。
色々と話を始める前に,,,
ちょ,待ってくれ、川崎町。
私、同じ宮城県内の大郷町出身なんです。
大郷町は、農業が盛んな町で、農業を守るために電車の駅も作らなかった町。
そのため、今では少子高齢化が進み、町の人口も減る一方。
そんな大郷町の誇れるものといえば、支倉常長なのだ!
大郷町にも支倉常長のお墓があるといわれているのだ!
川崎町と同様,支倉常長を意識したゆるキャラ「常のモロ」がいる!!
どちらも可愛らしいゆるキャラ!
常のモロ,町の特産品モロヘイヤと掛け合わせ,大郷町をPRしているわよ!
が,さらに調べてみると、仙台にも富谷にもお墓があるらしい。
支倉常長、お墓ありすぎー。
それだけ重宝された人物、支倉常長。すごー。
ゆるキャラ「チョコえもん」
と、話はずれましたが、川崎町のチョコえもんに話を戻しましょう。
主に町内や仙台市のイベントに参加していて、語尾に「…チョコ~」とつけて話すおちゃめな感じが人気の秘訣。町特産のチョコレート菓子「初コラータ」の美味しさをアピールすることを使命としながら、町全体の観光PRにも一生懸命取り組んでいます。
チョコえもんの使命は,町特産のチョコレート菓子「初コラータ」の美味しさをアピールすること.
町の特産である「初コラータ」,調べてみると,
チョコを作るための原料カカオは,川崎町で作られていない!
しかも,製造も仙台らしい!!!
支倉常長もびっくり!!
ということで、廃湯を使って、カカオを育ててみようという流れとなりました。
実証実験 第1ステージ
2019年10月,百(もも)兼東北大学際研の中安さんのお声がけの元,百の技術顧問の長岡高専の武樋さんがメインに動きながら,実証実験を始めました.こちらは,2019年度宮城県エコタウン形成支援事業 STEP2の補助金助成を受けております.
東北大学の研究者たちも実証実験のお手伝いをいたしました.
こちら予備実験用のハウスの枠組み.
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ハウスって,ラップを巻く感じで作っていくんですね.
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![](https://assets.st-note.com/img/1660962660597-wmA27oYWaD.jpg?width=800)
研究の一環で、ハウスを立てるというのも、このプロジェクトならでは。
普段しない作業に四苦八苦,なかなか終わり切らずに,この日は作業終了.
あとは百さんたちにお任せして,今回は帰路に.
そしたら,その後,
残念なお知らせです! 風でハウスがひとつ飛びました!
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えーん T_T
これも自然を相手にする作業.
みんなで作ったハウスが強風でコテンパンに!
改めて,ハウス作っている人たちってすごいなーと思いました.
その後,完成したハウス!
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ハウスにカカオも導入し,
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タフにカカオは順調に育ってくれました.
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実証実験 第2ステージ
2022年,第1ステージの反省を活かしながら,(株)馬渕工業所さんも加わりながら,中規模ハウスへと展開しました!廃湯は撒くのではなく,管で回しながら熱を供給し,足りない分は薪ボイラーで温めたお湯も回す設計となりました.
見に行ってみると,,
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うぉーめちゃくちゃカッコ良くなってるー!
自分達の手で小規模ハウスを作っただけに,このハウスのレベルアップ感を実感.
こんな雪深い青根温泉でカカオ?!果たして育つのか?!?!
ちょうどカカオを導入したところで,まだビニールにかかっておりました.ビデオカメラ,温度計,湿度計もしっかり設置し,IoTで管理する仕様.
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そして,2022年8月にまた見に行ってみると,ぐんぐん成長している!!
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頑張れカカオ!!
チョコえもんが胸を張って川崎町の特産品をアピールできる日はもうすぐそこまできている!
自然資源の活用について思うこと
そこに資源はあり、使わなければ、ただただ資源を垂れ流すのみ。
もったいないから活用しよう!というのが地域に入る前の自分の気持ちでした。
けど、価値を生み出すためには、タダで生み出せるわけではない。
価値を取り出すシステムをそこに組み込むには、お金も、人の労力も、資材も投入しなきゃいけない。
作った後には、持続的に使い続ける必要がある。
自然資源を使うことに価値があると思っていたけど、大事なのはいかに、その後に持続的に利用するか。
作ることばかりに目をやりがちだったけど、いかに維持して、いかに終わらせるか。
持続性は数値じゃない。
作る人、使う人の情熱をいかに絶やさないかだ。
「持続可能」とは何なんでしょうか.
地域に入ってみると,自分が大学で学んでいることは,理想論でしかないなと思いました.
設計対象となるシステムの中に,人の情熱は組み込まれていない.人の情熱のいかに持続的に継続させられるか.それがこれからの設計には求められるかと思います.みんなで考えながら,設計し,行動に移していきましょう.