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【アドラー心理学①】「嫌われる勇気」

「嫌われる勇気」という本を読んだ。5年ほど前に流行ったアドラー心理学の入門書である。アドラー心理学については最近強い興味を持っているので、この本での内容を絡めてアドラー心理学について書いていきたい。
ただ、いかんせん勉強を始めてまだ少ししか経っていない。これから書く事は、あくまで現状での理解であることを前置きしておきたい。

ライフスタイルの転換を狙う


アドラー心理学がもたらすものは、「ライフスタイルの転換」である。本書によるとライフスタイルとは

その人が「世界」をどう見ているか。また「自分」のことをどう見ているか。これらの「意味づけのあり方」を集約させた概念

となっている。
要するに私たちが「性格」や「気質」だと思っている、思考や行動の傾向のことだ。そして、ライフスタイルは後天的に選択可能である。「アドラーの考えを取り入れることでより生きやすいライフスタイルを獲得しよう」というのが、アドラー心理学の目指すところになる。

アドラー心理学は「トラウマは存在しない」「すべての悩みは人間関係によるもの」「嫌われる勇気を持つ」など、常識をくつがえすような内容が盛りだくさんだ。そもそも、一番根底の部分として「原因論」ではなく「目的論」を採用しているところにアドラーの革新性がある。
人はどうしても現状の不満を過去の問題のせいにし、過去の自分から変わることはできないと思ってしまいがちだ。例えば「今自分の性格が暗いのは、親の教育が悪かったからだ」と考える。しかし、それは「過去の自分が今の自分を形成している」という「原因論」に基づく考え方で、「目的論」の立場で言うとさきほどの例は「自分は暗いと思う、また暗くい続ける(という目的)のために、親の教育を引き合いに出している」ということになる。訳が分からないかもしれないが、それは本書を読んでほしい。
根本の考え方が従来とは違うため、それを前提にして進めた議論は一般的な考え方とは乖離している。しかし、だからこそ「ライフスタイルの転換」という巨大な目的を達成できるのだと思う。

実生活に落とし込むのは難しい


アドラー心理学は抽象的だ。「世界は本当はこうなっている」「自分は本当はこうなっている」ことの説明が主であるため、どうしても具体的な行動は各人に任される。
もちろん「他者貢献する」「いま、ここを真剣に生きる」などある程度具体性を持った内容も書かれているが、それを実生活に落とし込む方法は結局自分で考えるしかない。「嫌われる勇気」は日本のしかも割と最近に出版されたものなので、ある程度理解しやすい具体例を用いてはくれているが、それでも実際に生活の中で活用するとなると「どうすればいいんだろう…」となることが多い。
俺も、今まさにどうやって実生活のなかに落とし込むかを試行錯誤しているところだ。そういうところが、アドラー心理学の敷居の高さだと思う。ただ、遠回りではあるが、自分の糧になることはすでに確信している。これからも勉強を続けていきたい。

「嫌われる勇気」では丁寧に要素を繋げてくれる

アドラー心理学を実生活にどう生かすか、それもゆくゆくは書いていくつもりだが、今回は本書の分析を書いておきたい。
「嫌われる勇気」は帯によると55万部売れて、2014年では売り上げ第一位だったらしい。おぼろげな記憶ではあるが、確かに一時期とてつもなく話題になったのを覚えている。
ただ、個人的は胡散臭いというか、ホリエモンやDAIGOが持ち上げられているのと同じ臭いを感じたので避けていた。ああいうタイプの内容は本人が成功したから言えるのであって、実現したらもちろん素晴らしいが、大抵はその人にしかできない方法論をどや顔で書いているだけだと思ってしまう。
しかし、この本はそんな先入観とはまるきり反対の、真面目なアドラー心理学の入門書だった。他にも入門書をいくつか読んだが、一番分かりやすかったと思う。
特に、アドラー心理学は非常に多くの要素をはらんでおり、それぞれの要素の繋がりを感じにくい。それぞれの言葉にエネルギーはあるのだが、どれも単発的な印象を受けるのだ。しかし、この本では基本的な用語の解説から始まり、丁寧にそれぞれのつながりを説明していたので今までバラバラと散発的だった理解が一つにまとまった感覚がした。本書は青年と哲人の対話、という形式で進行するが、青年がとことんまでアドラー心理学を否定し論破しようとするため、私たちがアドラー心理学に対して抱く疑問や謎を全て代弁してくれている感じがする。そのおかげで、単なる用語の解説とはならずしっかりした入門書になっているのだろう。


アドラー心理学は本当に面白いので、今後も布教していきたい。そういう意味で、タイトルの【アドラー心理学①】をつけた。②以降も順次書いていこうと思う。

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