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陰陽少女は秘密裏に 青ブラ文学部参加作品 お題:暗々裏

本文

暗々裏、少女は動く。






この頃名もなき連続殺人鬼が闊歩している。
街中が「切り裂きジャックの再来」と恐怖におびえている。


特徴をひとつ挙げるとするなら、「音もなく襲われる」こと。


数多の事件の内、2件例示しよう。

ある日、接客をしていた女性が客に殺された。
女性と客は普通に会話のやり取りをしていたが、気付いたらその客に殺されていたという。
目撃者は誰もいない。
防犯カメラはちょうど修理中だったという。


別の日。
深夜に帰宅をしていた男子大学生が殺害された。
背後から何者かに襲われ、そのまま息絶えたという。
此方も目撃者は誰もいなかった。
人通りの少ない、防犯カメラのない狭い路地だった。





しかし、おかしな点がある。
人は簡単に逃走できるだろうか。
店から出てきたのなら、様子がおかしいと誰かが気付くはずだ。
人は簡単に痕跡を消せるだろうか。
狭い路地で痕跡を消していたら、誰かが様子を見に来るはずだ。





超常現象研究家から、1つの知見が示された。


アン=アンリ。
光と影のはざまに住む謎の少女が原因だ。

光の時間帯は影に潜み、時折逆行とともに現れる。
闇の時間帯は独壇場。街の明かりももろともしない。



闇=闇裏。
光の裏は闇。すなわち闇の裏は光。




殺人はまだまだ終わらない。



あとがき

ごきげんよう。月ノ宮闇と申しますわ。
今回は初めて、山根あきらさんの企画「#青ブラ文学部」に参加いたしましたわ。
暗々裏あんあんり)という単語を用いた小説ですが、意外と苦戦しましたわ…。

余談になりますが、私のファーストネーム「闇」にもあやかってみましたのよ。



参加企画


長話が過ぎましたわね。
それではごきげんよう。
また次の記事でお会いしましょう。

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