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呪い(のろい)の臭み

本文

「なんか、臭うわね」
「そうですか?」

馨先輩…僕の直属の上司は霊感がある。
そしてほかの誰よりもと言っていいくらい鼻が利く。

「進みますか?」
「しっ!ちょっと隠れて!」



「行ったわね。進むわよ」
「は、はい…」


突発的な行動はやめてほしい。
まあ、前に無視したらひどい目に遭ったから、ちゃんと言うことは聞くけどね。


「この先よ。どんどん呪怨が強くなってる」

馨先輩の嗅覚を頼りに一本の木へとたどり着いた。



目の前には大量の藁人形。
釘で打ち付けられている場所は様々。

「負の臭いはここからだったのね。道理で体調不良者が物凄いわけだ」

馨先輩が言うところの「呪い(のろい)の臭み」あるいは「負の臭い」。
元凶を見つけたわけだが、どうするのだろう。


不思議なお札では太刀打ちできないんじゃないか。


「神谷。結界を張る。手伝って」
「はい。具体的には…?」
「詠唱中に臭みの影響を受けないようにしてほしい。これで私を守って」

銀製ナイフを渡された。

途中省略



「思った以上に疲れたわね。甘く見ていたみたい」

馨先輩が疲れたというのだから、よほどの強さだったのだろう。

「神谷。あんたには才能があるわ。今度実家に連れて行ってあげる」






馨先輩は僕を縛り付ける気なのだろうか。


参加企画

クリエーターとして活動していくために、よりよい機材などが必要でございますわ。 ぜひご支援の程、お願い申し上げますわ。