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帰るべき場所

いいか悪いかは別として、コンセプトのある写真を信念のように続けている。たとえば見えている風景は一時的、その時限りということで「エフェメラリズム」を標榜しているが、その原点は海景である。

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杉本博司氏の作品を出すまでもなく、海の見える風景は心の深いところで響き続ける。それはやはり寄せては返す波が移りゆく心、翻って時のもたらす無常にも結びつくからであろう。無常は古典文学から通底する大きな流れ、もちろんそんな大上段に構えなくても海や波が言いようのない感情の高ぶりと共鳴するのは一度は経験しているに違いない。
というわけで「エフェメラリズム」の感覚を研ぎ澄ますべき再び海へ帰るときも訪れよう。創作でもなんでも帰る場所があれば遠い道のりを往くときの心の支えとなろう。

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