転職活動した時の話
自己紹介します。
29歳 OL 好きな食べ物はオムライス。
そんな私は27歳の時に転職を決意した。
大学卒業後、1年フリーターをした後に契約社員として社会人デビューを果たした。胸の高鳴りを感じるのもそこそこにクッソ時給が低いくせにめっちゃ忙しい店で販売員となった。そこから3年間、誰もが一度は聞いたことのある百貨店のちょっとした高級店でがむしゃらに働いた。そして精神を病み、身体を壊し、周囲からの「もう辞めちまえよ」の声と、当時の店長と私の正社員登用をめぐるガチバトルによって、仕事しながら転職活動を行うことにした。
しかし転職先を考えた時、特にこれといった案もなく転職エージェントや転職サイトに片っ端から登録した。次々と電話が鳴り「どういった職に就きたいのか?」と見ず知らずの人から質問された。私の答えはひとつ。
「メーカーでデザイン職に携わりたい。」
元々、高校から大学までデザインを学んでいた。販売員は楽しかったが、私は店頭に並ぶ商品を売りながら「ユーザーに私の商品を手に取ってもらいたい」という心に住まう欲を日々感じていた。
転職エージェントは私の答えを聞くと「率直に申し上げますと難しいですね。経験が必要な職種ですので。」と反対した。「ふーん。じゃあなんか高級取りな仕事紹介してよ。」と、私は適当に電話を切って暗い部屋で悶々とした。経験が必要なら一生デザイナーとして人生歩めないってことか、と一瞬思ったが私は諦めなかった。
デザイナーとしての人生を歩みたいことを私は周囲に相談した。できれば、優しい人と一緒に仕事できて、給料も時給870円より高く、サービス残業のない会社が良いとも言った。すると、友人の一人が心当たりがあると言う。私はすぐにパソコンで友人が紹介する会社のサイトを見た。中途採用の募集は無かったが「我こそはと思う方はこちらまで」的なことが書いてあった。早速、休みの日に自宅から1時間ほどかかるその会社へ行き周辺をリサーチした。色々見たし、情報を集めて、その会社の商品を買った。買いながら、「この会社に興味があるんです!お仕事されててどうですか?」と店舗の人に聞いたりした。みんな口を揃えて良い会社と言っていたし、帰る私に「一緒にお仕事しましょうね」と言ってくれた。帰り道に「転職先はあの会社だ!」と心に決めた。
そこから、志望動機を友人たちに片っ端から見せて回って書いた履歴書を送った。1週間ほどして電話が鳴った。
「一度お会いしたいので、こちらまで来てください。」
優しそうな男の人だった。接客業の良い点は平日休みの上シフト調整ができるところだ。すぐさま予定を空けて面接に向かった。情報収集が効いて、確か13時から始まった面接で15時半くらいまで喋ったと思う。帰りしなには「落ちた」と思った。だってどう考えても喋りすぎじゃない?それに次の面接がある場合には電話しますって言ったのに、1週間過ぎても連絡無いしさ。中途採用募集してないとも言われたし。ほかの会社に履歴書送るか…ウェーン(涙)と他社への履歴書を書いていたら電話が鳴った。
「来週までにデザインの課題を出すので課題を持って面接に来てください。」
嬉しい反面、体がこわばった。来週ってもう時間なく無い?意味わからん。怖。「デザインってなによー!」と言いながら私はすぐにパソコンを開きデザインの課題に取り掛かった。昼は接客、夜は転職活動。頑張って描いたデザインの課題はこの上なく下手だった。
怯えながら面接に向かうと3人の面接官が私を迎えた。色々と話した後にデザインの課題を見せた。白昼堂々と下手な絵を面接官達は真剣に見てくれた。やめてくれ!それ以上見ないで!と心で叫びながらそのデザインになった経緯や自分の考えをニコニコしながら時に真剣に話した。絵が下手ならせめてしっかりしたコンセプトや、情報収集からの汲み取り方で勝負するっきゃないと思った。
面接が終わり、落ちたなと思いつつ外に出ると豪雨だった。面接官の1人が傘のない私を近くのコンビニまで送ってくれた。準備の悪さも露呈した。これは絶対落ちたな。意気消沈して他社への履歴書を書き進めていた。
1週間が経つ頃、久しぶりの何もない休日が訪れた。疲れ果てた私は10時過ぎだと言うのにガーガー寝ていた。電話が鳴ったがどうせ店からだろうと舌打ちをしながら画面を見ると志望先の会社からだった。
「ぜひうちで一緒にお仕事して欲しいのですが。」
なに喋ったか覚えてないけどめっちゃお礼言って電話切った後に私は叫んだ。私の命が叫んでいた。ウキウキしながら店を辞めた。「自己都合の退社だから年休は使わせない」と店長がほざいていた気がするが、どうにでもなれば良い。私はデザイナーになるのだ。
そうして話は冒頭に戻る。
今年のエイプリル・フールに嘘つき忘れたのでこの場を借りて嘘をついてみました。
訂正の自己紹介します。
29歳 “デザイナー ”好きな食べ物は“うどん”
転職活動の思い出を長々と書きましたが、転職したい人たちの励みになりますように。そして最近仕事を楽しめてなかった私が初心を思い出して仕事を楽しめますように。
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