コロナウイルスの影響で、アメリカでは4月時点で失業率が14.7%(2050万人の増加)と、リーマンショックを上回る大不況と予想されている一方、Amazon.com, Inc.の株価はコロナ発症後も依然として伸び続けている。

外出自粛を余儀なくされている人々にとって、ネット通販の需要が高まることは容易に想像できただろう。しかし、数多あるEC企業の中で、アマゾンが最大の集客力を保持し続けているのは何故か。これから数回に分け、アマゾンが持つ魅力について紹介していく。

今回はアマゾンの全体像を掴むために、近年の注目サービスについて簡単に押さえておこう。

・クラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス」(AWS)

画像1

現在アマゾンの売上高の1割を占めるクラウドコンピューティングサービス。AWSを利用する企業は、自社でシステムを構築するためにサーバーを用意したりメンテナンスする必要がなくなり、セキュリティ対策も委託することができる。使用したいサービスだけを必要な期間だけ使うことができ、システムコストを抑えることも可能だ。近年ではデータの分析、AIなど企業が必要とする様々なITリソースも提供している。アマゾンは、「ビッグデータ×AI」のプラットフォームを世界に提供する企業であると言える。

・B to Cプラットフォーム「アマゾンマーケットプレイス

出品者が商品をアマゾンのサイト上に出品して販売できる仕組み。さらにアマゾンは、出品者向けにFBA(フルフィルメント バイ アマゾン)という物流サービスを提供。在庫保管や受注処理、発注業務をアマゾンに代行してもらえる。なお、アマゾンは物流システムの構築に注力してきており、生鮮食品を即時配達する「アマゾンフレッシュ」や、最短1時間で配達する「プライムナウ」などのサービス展開も行っている。

・無人レジコンビニ「アマゾン・ゴー」

画像2

顧客がスマホのアプリでアマゾンのアカウントにサインインしておけば、入店して欲しい商品を手に取り、そのまま外に出るだけで買い物が完了する仕組みだ。代金はアマゾンのアカウントに請求される。AIやセンサーの技術を活用し、顧客に新しい体験を提供するだけでなく、リアル店舗での顧客の購買行動に関するデータも手に入る。ちなみに筆者はサンフランシスコ留学中に一度利用したが、万引きと間違われないか不安で何も買わずに出て行ったという過去がある。

続く...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?