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48ヵ国でも8グループがベスト【2026W杯】  ~妄想トーナメント~

 2026FIFAワールドカップ開幕まで、あと2年。カタールW杯が終わったのが、ついこの間のよう。いや~待ち遠しい。とはいえ、まだ予選は進行中。日本代表にいくつかの問題が内在しているが、無事に予選を突破して、本大会で飛躍することを期待している。

 その本大会の方式にも少々問題があると、私は考えている。その問題をどうしたらより良いもの出来るか、勝手に考えてみた。
 FIFAの視点と、ファンでしかない私の視点では、全く違うことは解っている。それでも、「観客が歓喜する試合を多くするには、こうするのがいいんじゃないか」と妄想しているキチガイの戯言に、しばしお付き合い頂ければ幸いです。


大会フォーマット予想

 大会のフォーマットは、まだ明らかになっていない部分があるが、想像で補う。判っているものと併せて、以下のようになると考えられる。

  • 48チームを4チームずつ12グループに分ける

  • グループステージは、4チームによる総当たり、各チーム3試合を行う

  • グループステージの1位と2位は決勝トーナメント進出

  • グループステージの3位の上位8チームが決勝トーナメント進出

  • 決勝トーナメントは、32チームによって行う

  • 同グループの1位と2位の再対戦は、決勝戦もしくは3位決定戦

  • 同グループの3位との再対戦は、準決勝

  • 試合と試合の間隔は、中3日以上(3位決定戦を除いて)設ける

  • グループステージ72試合

  • 決勝トーナメント32試合

  • 全104試合

決勝トーナメントの方式はどうなる?

従来方式

アジアカップなどの24チームによる大会方式を基に、48チームに拡張すると以下のようになる。

 4つの山に分けた時の1回戦は、1位vs2位(黄色)、2位vs2位(水色)、1位vs3位(ピンク)2試合、計4試合の組み合わせで1つの山になる。
従来方式のメリットは、運営、管理が容易であること。
 この表ではC,E,I,J組の1位は、2位との対戦となる。ほかのグループの1位は、3位との対戦だ。グループによって対戦相手の順位が異なる。どのグループに入るかは抽選によって決まるため、公平であるとも言える。しかし、不公平な感じがする。
 また、グループによって戦略が変わってくるかもしれない。C,E,I,J組では、順位が1位も2位も対戦する相手は2位である。1位の価値が低くなっている。

1位の優位性を高めるために、アドバンテージを導入すべきだと思う。
90分もしくは延長120分終了時に引き分けの場合、上位を勝者とするルールだ。
下の記事で、アドバンテージについて詳しく説明しているので、まだ読んでいない方は読んで欲しい。

  • 1位vs3位(ピンク) 90分終了時引き分けなら、1位の勝利

  • 1位vs2位(黄色) 延長120分終了時引き分けなら、1位の勝利

  • 2位vs2位(水色) 延長120分終了時引き分けなら、PK戦

これが妥当ではないだろうか。
しかし、アドバンテージがあっても、グループによって対戦相手の順位が違うのは、やはり不公平感がある。
この不公平感を解消するのが、次の4大グループ方式である。

4大グループ方式

A~Lのグループをさらに大きな組(W、X、Y、Z)に分ける。

W組[A、B、C組]
X組[D、E、F組]
Y組[G、H、I組]
Z組[J、K、L組]

A、B、C組の1位を成績順に順位を付け、W組の1~3位とする。
2位も成績順に、4~6位とする。
W組1位と2位は、A~L組の3位と対戦。
3位は6位、4位は5位と対戦。
同組対戦を避けるため、3位と6位が同組なら5位と6位を入れ替える。
X、Y、Z組も同様。
トーナメント表は、以下のようになる。

4大グループ方式のデメリットは、運営、管理が複雑になること。
しかし、これでどのグループも平等となる。

運営が複雑で大変な面はあるが、これでやって貰いたいなあ。
さてどうなるんだろう? 出来れば、アドバンテージ適用で。

8グループ方式

 「これでやって貰いたいなあ」と本気で妄想しているのが、8グループ方式。大会フォーマットが一部変更になる。

  • 48チームを6チームずつ8グループに分ける

  • グループステージは、指定の対戦方式により、各チーム3試合を行う

  • グループステージの1位~4位が決勝トーナメント進出

指定の対戦方式の説明は後ほど。
まずは、8グループとした場合の決勝トーナメント表を見てもらいたい。

1位vs4位(ピンク)、2位vs3位(黄色)が綺麗に並んでいる。
このトーナメント表では、A,C,E,G組はB,D,F,H組と対戦し、突破した順位によって対戦相手の組が違うように組んである。
運営、管理が容易で、しかもどのグループも平等。
8グループで行うのが理想だ。

当然の様に、アドバンテージ適用。

  • 1位vs4位(ピンク) 90分終了時引き分けなら、1位の勝利

  • 2位vs3位(黄色) 延長120分終了時引き分けなら、2位の勝利


8グループのグループステージはどうなる?


48チームを8グループに分けると、グループあたり6チームとなる。
総当たりなら、チームは5試合を行い、グループ内の総試合数は15試合になる。
指定の対戦方式では、チームは3試合を行い、総試合数は9。

何はともあれ、架空の大会の対戦表と対戦図を見たほうが早い。

対戦表
対戦図

AからFの6チームによるグループを想定。
実在の国名が入っているが、A~Fに当てはめているだけで、他意はない。
ポットは1~3に分ける。各ポットから2チームずつ入る。
対戦表で色付きになっている枠は、総当たりなら対戦だが、この方式では行わない。
各チームは、ポット1~3のチームと1試合ずつ、計3試合を行う。
総当たりではないが、どのチームも条件は同じである。

ここで、ちょっと問題になることがある。
対戦のないチーム同士が、総得点まで同じだったらどうするのか?

架空の大会の順位表はこうなっている。

順位表
総得点まで比較

BからEの4チームが同点で並んでいる。
総当たりなら直接対決での決着だが、未対戦があるため、それは出来ない。
対戦表や対戦図を見ているだけでは、優劣を付けられるようには見えないので、フェアプレーポイントや、抽選での決着になってしまいそう。

しかし、この4チームに優劣を付ける方法があります。

順位決定手順
 
①勝ち点
 ②得失点差 
 ③総得点
 ④相対勝ち点
  対戦相手の勝ち点合計
  (自チームとの対戦を除く)
 ⑤相対得失点差
  対戦相手の得失点差合計
  (自チームとの対戦を除く)
 ⑥相対総得点
  対戦相手の総得点合計
  (自チームとの対戦を除く)

 ⑦直接対決(2者比較のみ) 
 ⑧フェアプレーポイント 
 ⑨抽選

④~⑥が、今までにない方法です。
手の○○なので、相対○○としています。
簡単に言えば、対戦相手の強さを比較して順位を決めます。
総当たりでは、この方法で順位を付けることが出来ません。
スイス式トーナメントに、同じような順位決定手順があります。
私が知らないだけかも知れませんが、このような方式で順位決定する主要な大会は、無いみたいです。
追記:まだ詳細は把握していませんが、UEFAチャンピオンズリーグの新方式には、採用されるらしい。

ともあれ、これで前出の4チームを順位付けします。

順位表
相対総得点まで比較

どうでしょうか?
B~Eの順位に納得できますか?
Aと対戦したBが2位。Fと対戦したEが5位。
A、Fと対戦したCとDが同点で、3位です。
CとDの直接対決がないため、フェアプレーポイント以降の決着になります。
強い相手と対戦したチームが上位になっています。
もしEがこの順位に不服なら、対戦相手が弱かったのだから、1点でも多く得点するか、失点を少なく抑えれば良かったのです。そうすれば、ほかのチームより上位となり、相対○○で比較されることがありませんから。

4チーム総当たりは万能じゃない


どのようなトーナメント形式であろうと、万能なものはありません。
それぞれに長所・短所があり、競技の特性や状況によって適したトーナメント形式にするのが、大会を盛り上げるためには必要だと思います。

1勝1分けで突破確定?

16や32チームの場合、4チーム総当たりは相応に機能すると考えて良いでしょう。
それに対し12や24チームの場合、やや不満が出てきます。
まず、決勝トーナメントのバランスが良くない事。
そして、3位のチームの中から成績順に選出するのは、良い方式とは言えないのです。これは48チームになるとさらに悪化します。

勝ち点4獲得チーム
突破確率 試算結果
12チーム 3グループ 約92%
24チーム 6グループ 約95%
48チーム12グループ 約98%

 これは、全てのチームを互角とした場合の試算結果です。実力差が大きいと、さらに高くなります。24チームの95%でも高く感じますが、48チームだと98%。
 敗退確率2%は、突破確実と言っていい。多くのチームがそう考えるでしょう。2勝したチームだけでなく、1勝1分けのチームも、余裕をもって3試合目に臨むと考えられます。どのチームも、まずは勝ち点4以上の確保を目指すようになります。

 では、実際の結果をもとに、32チーム(2位以上選出)と、48チーム(3位成績順選出)ではどう変わるかを見てみましょう。48チームでの勝ち点4は、グループステージ突破確実と考えるとします。

カタールW杯を振り返る

日本が首位で決勝トーナメント進出した、前回大会です。
グループステージ3戦目は、どのチームが突破or敗退してもおかしくない状況。1点ごとに目まぐるしく順位が入れ替わる、壮絶なものでした。下のグラフを見て下さい。
結果は首位だったものの、もしスペインに追い付かれて引き分けだったなら、敗退。勝負というのは残酷です。

では、これが3位成績順突破のグループステージならどうなるのか見ていきます。

順位推移
勝ち点推移

 上の表は、その時点のスコアで終了した場合の勝ち点推移です。
 スペインvs日本では、スペインは負けても突破。日本は負けた場合、突破に黄信号が灯ります。
 コスタリカvsドイツでは、ドイツは勝利が必須。コスタリカは引分け以上で突破になります。
 注目すべきポイントは、突破は順位ではなく、勝ち点4以上か否かで決まる点。他会場の結果が関係ない点です。あれだけ突破or敗退がクルクル変わり、ハラハラしながら観ていたものが、割と淡泊なものになります。他会場を気にしなくていい分、目の前の相手に集中出来ます。これは利点と言えるかもしれません。

 しかし、懸念があります。両方のチームが『このままのスコアでもいい』と考えてしまうことです。コスタリカvsドイツでは、それは起こらないのは確かです。しかし、スペインvs日本では、スペインがそう考えたなら、日本は同調するかもしれません。

まあスペインなら
最後までガチで
やるだろう。
でも中堅より下の国なら
攻めが緩くなるのは
ありうるよな。

 あからさまに攻撃をやめないまでも、迫力のない攻撃に終始するかもしれません。ロシアW杯の日本vsポーランド戦のような状況。無気力試合です。

 こうした懸念のある試合が、48チームの大会では、これまでの大会より確実に増えると予想されます。懸念があるだけで、実際には迫力のある試合ばかりで終わるかもしれません。出来ればそう願いたいですが、無気力試合が増える懸念があるというのが、次回W杯の問題です。

まとめ


最後に各方式の特徴、メリット、デメリットを挙げて終わりにしたいと思います。

従来方式

  • おなじみの方式で理解しやすい

  • 運営、管理が容易

  • グループステージは順位よりも勝ち点重視

  • 決勝トーナメントに不公平感がある

  • 無気力試合が増える懸念がある

従来方式+アドバンテージ

  • アドバンテージの導入は容易

  • 運営、管理が容易

  • グループステージは勝ち点も順位も気になる

  • 決勝トーナメントに不公平感がある

  • 無気力試合の発生を抑制できる

4大グループ方式+アドバンテージ

  • やや複雑でわかりづらい方式

  • 運営、管理が複雑

  • グループステージは勝ち点と順位と他のグループの成績が気になる

  • 決勝トーナメントの不公平感は無い

  • 無気力試合の発生を抑制できる

8グループ方式+アドバンテージ

  • これまでにない方式のため、周知が必要

  • 運営、管理が容易

  • グループステージは勝ち点よりも順位重視

  • 決勝トーナメントの不公平感は無い

  • 無気力試合の発生を抑制できる

さて、どの方式がお好みでしょうか?
せめてアドバンテージは導入して欲しいよな~。
8グループ方式が理想だけど、まあ無理だよな。

頭の中では
すっかり8グループ方式の
ワールドカップが
展開されている
キチガイです。

戯言に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

なお、続編がありますので、ぜひお読みください。

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