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きょうだい児【私の弟、自閉症です】

私には、自閉症の弟がいます。
親は、父しかもういません。
母は私が学生の時に亡くなりました。

【きょうだい児】とは…?

「きょうだい児」とは、
重い病気、あるいは障害を持った兄弟姉妹がいる、子どもを指します。
きょうだい児自身が、健常者である場合、
障害を抱えた兄弟姉妹の世話をしなければならなかったり、
自分の家の状況が、一般的な家庭と大きく異なることに傷ついたり、
どうしても親は障害のある兄弟姉妹を優先せざるを得ないため、
孤独感を感じることも非常に多いです。

(※きょうだい児自身も障害を抱えている場合ももちろんありますが、ここではあくまでも、きょうだい児自身が健常者である場合を前提としてお話させていただきます)

「私のことは、後回しでいい。」

きょうだい児の多くは、兄弟姉妹に障害があることが、「誰のせいでもない」ということを心得ています。
それゆえに、兄弟姉妹が優先される環境に自分がいることを、【仕方のないこと】【自分の家では当たり前のこと】として受け入れようとします。

「自分のことより、兄弟姉妹のことが優先されるのは仕方がないことだ」と我慢して、自分の気持ちを抑え、諦めることに慣れていきます。
また、障害を持った兄弟姉妹のことで、親が大変な状況下にいることに、子どもなりに気づき、空気を読みます。

本当は、もっとわがままを言って構ってもらっても、いい年頃なのに。
必要以上の我慢や、空気を読む必要なんか、ないはずなのに。


そういった日々の積み重ねのなかで、自分を後回しにすること、あるいは自己犠牲の生活に慣れてしまうこともあります。
それは自己肯定感の低下にも繋がり、最悪の場合、精神的に追い詰められ、うつ病などのメンタル疾患を発症してしまうきょうだい児も、少なくありません。

親がいなくなったら・・・という不安

将来親がいなくなった時に、障害を持つ兄弟姉妹の面倒を見るのは誰でしょうか。
それは「自分しかいない」と責任を感じ、将来に絶望を感じてしまったり、
障害を持つ兄弟姉妹の世話のことを考えると、自分の結婚・育児などに対し、前向きに考えられなかったり、諦めてしまったりする場合もあります。

きょうだい児は、大人になっても、障害を持った兄弟姉妹のことを意識して生きていくことになります。
そこに親の介護、自分自身の肉体の衰え等が加算されていくのであれば、
正直に言って、とても辛い状況です。
きょうだい児自身もなにかしらの支援を受けることが必要な立場ではないでしょうか…。

【きょうだい児】にスポットを当てた情報発信をしたい。

(以下、私個人の話になってしまいますが、この記事を書き始めるに至った理由も含めて、少しお話させて頂きます。)

障害を抱える当事者の方、あるいはご両親についての情報は、昔よりかなり多くなったと思います。
ですが、【きょうだい児】についての情報は、まだまだ少なく、
何より私自身が孤独や不安を大きく抱えています。

私自身、親も片親で、今は幸い元気ですが、高齢です。
【哀しいけれど親とはいつかはお別れがくる】ということを、自分は学生の時に経験しています。
正直に申し上げますと、現在、自閉症の弟のことを具体的に相談できる相手は、父以外に誰もいません。

なので、少しずつ、色々な準備をしていこうと、重い腰を上げました。
実は弟のことで、私自身も悩んでいることが現在複数あり、
家族だけの力ではどうすることもできない段階まで来ていると感じ、途方に暮れていたのですが、
先日福祉機関に勇気を出して連絡をしました。

これから私も少しずつ、弟のことに関して時間を作って動いていかざるを得ない生活になるのですが、
正直、一人だとつらいしサボってしまうんです…

なので、こちらで情報共有をさせて頂くことで、調べ物をしたり福祉機関とやり取りをするモチベーションを維持したい・・・という究極の自己都合で記事投稿をスタートさせていただきました。

【きょうだい児】の方へ

「~という機関に電話して、~という制度を使えばいいよ」などの具体的な情報や、お役立ち情報等の有益な発信はできないかもしれません。
ですが、
このままだと将来絶望なきょうだい児なんだが、
ちょっとずつやるべきことをやってみてるよ、もしこの記事が参考になったり、少しでも心の拠り所や行動のきっかけになったりしたら嬉しいよ
」という軽いスタンスで、個人的な記録をまずは更新していけたらと考えております。

【あなたはひとりじゃない。】
なんてキレイごと言えません。
だって私がひとりだから・・・笑
だから、ひとりぼっちな人はたくさんいるよ、
私もひとりだよ。
ってことをまず伝えたいです。

ひとりで困っているからこそ、頼れる専門機関に私は頼ってみることにしました。

相談できるご家族やパートナー、ご友人がいらっしゃればもちろん良いのですが、できない状況の方もいらっしゃると思います。
わたしもその一人です。
また、困りごとの内容次第では、専門の公的機関のプロの方々に頼ったほうが良い場合もあります。
わたしも父も、弟の家族ではあるけれど、障害者支援のプロではありません。
家族だけど、できないこと、わからないこと、あっていいんだとやっと自分を許すことができました。

読者様にとっても、この記事が、プラスの方向にいく小さなきっかけになったら…
とっても嬉しいです。

※最後に

あ・・・私はとっくに成人している身なので、正確にいうと、
「児」ではないですね…笑
ですがこちらnoteでの記事におきましては、
便宜上、【きょうだい児】という表現を遣わせていただきます。
ご了承いただけると幸いです。

それでは、このような拙い文章を、最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
至らない点や不適切な表現がありましたら申し訳ございません。
もしかすると、障害を抱える当事者の方や、ご両親にとっては、心に傷がつく内容だったかもしれません。
ただ、実際問題として、また別の立場で苦しんでいるきょうだい児という存在を、少しでもご周知頂けたらと思い、記事を書かせて頂きました。
また、この記事は全てのきょうだい児に当てはまる内容とは限りませんので、あくまでも1例として捉えて頂けたら大変助かります。

辛いことや耐えられないことはたくさんありますし、
今後、負の感情の共有もさせて頂くかもしれません。
ですが、建設的で前向きになれるような記事もたくさん作っていけたらと思います。

また更新させていただきます。


『きょうだい児』あんこ作

https://twitter.com/ankoindorayaki

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プロフィール
絵描き【あんこ】です。
兼業イラストレーターとして活動中です。
普段はゆるふわイラストを中心にイラスト製作をしています🎨
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