見出し画像

パピーミルとブリーダー②

毎日追われるように過ごしていたら、あっと言う間に1か月・・・は50代あるある?いや、私だけかも(汗)。

気付いたら動愛法改正の6月を迎えておりましたね。ペットショップなどをのぞく事がないので特に変化は感じませんが業界内でも「一応」この改正を周知させよう、という動きはチラホラ見聞きしています。

ただ、法改正してもそれをチェックする機能がないなら・・・劇的な変化は正直、期待出来なのですが2歩下がる前提でも3歩進まないと前進出来ないので否定せずにポジティブに受けとめないと、と自分に言い聞かせている状態(笑)。私も動物取扱責任者で取扱業の登録もしていますが、数年に1度の店のチェックに来る際は「この日の何時頃」ってちゃんとアポ取って来るので、もしルールから外れているトコがあっても「その時だけ」修正可能。またブリーダーの8週以下の販売禁止についても・・・「誕生日を偽装するだけ」ですよね、誰が考えても・・・(汗)いわゆる悪徳は悪徳なんだから。この業界に限らずですが、悪徳も馬鹿じゃない(?)と言うか、馬鹿でも思いつくよね、誕生日を偽装するだけって・・・?

さて、本題(汗)の

パピーミルとブリーダーの違い

ですが、カタカナですが意味を考えると・・・

パピーミル

パピー*仔犬

ミル*製粉所、水車小屋、粉砕器、製粉機、製造工場、製作所、(人・ものを)機械的に作り上げる所

などと出てきますがいわゆる 仔犬の製作工場 ですかね。不快に感じる方もいらっしゃると思いますが「販売」しているわけですから間違いなく仔犬仔猫は「商品」です。あらゆる商品を作り出す工場は世界中に数多く存在していて中には不衛生な所もあれば、小規模で儲けは少なくとも良質な材料を使い、経費をかけて素晴らしい商品を世に出している工場もあるでしょう。そして、物作りには「失敗」は付き物です。私のお客様でご自宅で週に2日だけパン屋さんをしている方がいてこだわりの良質な材料でパンを焼いており、スーパーのパンに比べたらもちろん少し価格は高いのですが多くのお客様の予約があり早くに売り切れになる人気店です・・・が気候の変化や様々な要因で「失敗作」が出てしまい、時々頂くのですが(笑)味は美味しいけど見た目や食感が「売り物」としては失敗なんだそうです。

ブリード*繁殖、品種

イング(ing)は進行形ですので・・・その品種(ワンコだと犬種)を繁殖している

みたいな意味合いでしょうか?

その差は何かと言うと・・・目的 です。

すごーくシンプルに説明すると

販売するための繁殖 = パピーミル

その犬種の理想像を追求して繁殖 = ブリーダー

と、考えて良いと思います。もっと細かく分類も出来ますがここでは必要ないので省略、でもこの違いを理解する事がまず重要です。

今はブリーダーもネット検索で探す時代になり、ブリーダーを探そう的なサイトには日本全国のブリーダー(大半は自称かも汗)の登録があります。この中で本当のブリーダーと自称ブリーダーをどうやって見分けるかと言うと・・・

ドッグショーへの出陳をしているかどうか?

です。ドッグショーについてはこちらをお読み下さいね。本来ブリーダーはその犬種の理想を追求して繁殖しているのですから、その成果をジャッジしてもらう必要があります。犬種の理想についてはこちらをご確認下さい。ブリーダーは決して自己満足ではなく、ジャッジされ、評価されなければいけけません。スタンダードや繁殖について勉強し、ドッグショーでベストなコンディションを発揮するため普段の食事管理、運動、マナー入れ、被毛の管理などに加え、遺伝性疾患の因子の有無を確認するなど時間だけでなく多くの費用も掛けて管理をしています。ドッグショーは出陳料も掛かりますし、遠征費など決して安くない経費が掛かりますが、これらは「普通の」ブリーダーの仕事です。

ではパピーミルではどうか?前回の記事にも記したように、パピーミル、と言ってもピンからキリまで規模や管理体制、衛生管理も含め存在しますので簡単に「こんな感じ」とは言えませんが、とにかく繁殖の目的が「販売」ですからブリーダーと違い「売れる商品」を作ります。ダックスが流行ればダックスを繁殖し、Tプードルが流行ればTプードルを・・・そしてプードルの中でも「マズルの詰まった、お目めクリクリ」が高く売れる、となればその方向で繁殖・・・とプードルの本来のスタンダード(マズルは長くシュッとして目がアーモンド形が理想です)とは異なっていても高く売れる「商品」を作ります。

パピーミルとブリーダーの違い、何となくわかっていただけたかな?と思うのですが・・・そう、でもマズルの詰まったお目めクリクリのコが欲しい!と思う方はたくさんいらっしゃるかと思います(笑)。私のお店のお客様でもマズルが長くてベアカットが似合わない・・・と嘆いている飼い主さんも時々いますが、私達プロは「こっちの方が美しいプードルの顔なんだけど」と微妙な気持ちに(笑)なります。パピーミルの中には独自のサイトなども持っていて

当店のコはマズルが短く、真ん丸お目めのティーカップサイズ!

なんてスタンダードから外れてる事を売りにしている事もあります。なぜかって

需要と供給

ですよね。そっちの方が一般ウケして高く売れるわけですから・・・そうなるとブリーダーだろうが、パピーミルだろうがどうでも良くなりませんか?

呼び方については、どうでも良いと思うのですが多くの一般の方にその「違い」をきちんと理解して欲しい事と、パピーミルを肯定しているわけでなく、目的の違いはあれど「きちんと」管理し、愛情を持って繁殖犬引退後も生涯責任を持って飼育してくれれば、需要がある限り、なくならない職業ですから、それこそ法改正で少しずつでもハードルを上げ、時々ニュースで見かける生涯、不衛生なケージの中で過ごすような繁殖犬が存在しないようになっていって欲しいな、とは思っています。

「商品」を選ぼう

日本ではあまり一般的でないけれど、欧米の方は

「動物実験をしていない企業の商品しか買わない」

「毛皮を使うハイブランドは買わない」

「フェアトレードされた商品しか買わない」

など、その「商品」のバックグランドをきちんと確認して商品を選びますが、日本では少数派では?と思っています。最近少しずつ、例えば

「平飼いされたニワトリの卵を飼おう」

とか目にする機会が出てきましたが・・・スーパーで山積みされているのは、やはり安価な卵ですよね。「なぜそんな安く売られているのか?」と追及する人が少なく、目の前にある「安い卵」を何も考えずに購入している人が多い証拠です。

ペットが欲しい、となった時にペットショップで・・・と思う事は悪ではないけれど、この可愛い仔犬仔猫は、どんな環境でどんな親から生まれたのか?と「普通に」疑問に思って欲しいし、それを情報開示出来ない、あるいは実際に見せてもらえないようなショップでは買わない、と判断してもらえるようになったらイイナ♪




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?