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Dog Show って???

かなり前ですが・・・フードか何かのCMにドッグショーの映像が使われていたような気がしますが・・・記憶に自信がなくなるお年頃なので断言は止めておきます(笑)。

ドッグショーと聞くと多くの方は「自分には関係ない世界」だと思うかもしれません。私のようなトリマーを職業とする方でさえ「特殊な世界」だと考えている人が実はけっこう多いのでは?と思います。

ドッグショーは決して愛犬家達による「ウチのコが1番可愛いでしょ♪品評会」ではありません。私達トリマーにとっても、ペットとしてワンコを迎える飼い主さんにとっても実は重要な役目を果たしているのです。そんなドッグショーの存在意味をぜひ多くの方に知って欲しいな、と思っています。

ウィキペディアによると・・・↓

犬の良し悪し、単純な美しさを競い合うものではなく、その犬種の基本的な犬種標準(スタンダード)に最も近いかを競うもの。自然交配を肯定し雑種(ミックス)が増えていくうちにだんだんと本来の犬種らしさが消滅してしまうのを防ぐ、犬種の保存的要素が強い

とあります。

そこで出てくるのが 犬種標準(スタンダード)ですが、それは私の以前の記事、

理想のワンコとは・・・?

をぜひお読み下さい♪

そう、ドッグショーとは決してただの品評会ではなく、各犬種のブリーダー達がいかに犬種標準(スタンダード)に近いイヌを作出したか?をジャッジしてもらい、その評価を求めて出陳しているのです。つまり、根本にある目的は各犬種の保存に他なりません。

・・・が、ショーで好成績を収めチャンピオンになればオスなら交配料も高くなりますし、メスなら産んだ仔犬も高く売れるのは事実ですから、ショーに勝つための努力も惜しみません。ショーでベストなパフォーマンスをするために研究に研究を重ねたフードを与え、計算した運動で筋肉を付け、ショーのスケジュールに合わせて毎日ケアして被毛のコンディションを整え、もちろんショーで最高のキャラクターを見せるためのマナーも入れます。また、遺伝性疾患の因子の有無なども検査します。

かわいそう?

いえいえ・・・盲導犬の仕事と同じで彼らはその使命を楽しんでいます。それを楽しいモノだと教えているので、ハンドラー(ショーでイヌを引く人)のコマンドを理解し、上手に歩き、褒められる事が喜びです。実際に私もハンドラーとしてショーに出陳した経験がありますが、多くのワンコは時々オヤツを貰って(笑)嬉々としてリンクを歩いています。逆にそれを苦手とするワンコはショー向きではない、と判断されます。そこも盲導犬同様で、多くの候補がいても全てのイヌが盲導犬になれるわけではありませんよね。

ここで誤解されては困るのは(汗)決してイヌを「高く売る」のが目的でショーにエントリーしているわけではなく、自分が繁殖した(あるいは譲り受けた、輸入した)ワンコをジャッジしてもらう事が目的であり、それこそが

Breeding をする Breeder 

です。もちろん、ブリーダー自身だけがドッグショーに出ているわけではないのでプロのハンドラーに依頼する事もあります。プロのハンドラーはイヌを預かり、全ての管理とショーのエントリーなどを行いその成果によって報酬を貰っています。日本ではそれだけで食っていけるハンドラーはほぼいないので繁殖はもちろん、トリミングやハンドリングを教えたり(個人的に、あるいは講師など)している場合が多いです。

ハンドリング(ショーイングとも言う)にも技術レベルがありますので、誰が引いても同じ、ではありません。ハンドラーがイヌを見せる相手はジャッジのみですので、ジャッジに自分のイヌを見せる位置、タイミングなど全て考え抜かれて動いています。ハンドラーは自分の引くイヌに短所があれば目立たないよう、長所は強調してアピールし駆け引きしながら走っています。これは研究と経験の賜物で、だからこそ本当のプロ・ハンドラーはなかなかいないのが現状です。

ショーも規模により、システムが多少異なるのですが、詳しく知りたい方は

ドッグショーのシステム

↑なかなか複雑ですが(汗)最初は同姓同士の同じ犬種(年齢ごと)で競い、勝ち抜けば同じグループ内で競い、そこで勝てば他のグループの代表イヌと競い、そこでトップになれば、同じ道のりを勝ち抜いてきた別性のワンコとその日の1番を競う、システムです(汗)。

昨年はコロナ禍で多くのショーが中止となりましたが、少しずつ開催されるいようになり、ほぼ毎週末日本のどこかで行われています。真夏などはワンコの健康のために涼しい地域のみで数は減りますが、JKCのサイトでもスケジュールが出ていますので、ワンコ好きな方はぜひ1度足を運んで頂きたいと思っています。そのうち、ドッグショー見学のマナーも書きたいと思います。

しつこいようですが・・・ドッグショーの目的は、

犬種の保存

そこをまず、理解していただけると嬉しいです。



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