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失恋

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2020年10月の記事一覧

音

ひんやりとした
嘘だった

乾いた枯れ葉を
踏んだ時の音が

 こころのなかで
 したんだ

沈黙を聴きながら
わたしたちの夜は

行先を失くして
しまったんだ

帰り道はしあわせの

帰り道はしあわせの

迎えにいく
迎えにいく

二人乗りで帰る
しあわせ
まわした手の感触

傘を並べて帰る
しあわせ
合わせる足の歩幅

迎えにいく
迎えにいく

きみが帰ってくる
という
しあわせ

あの頃の愛の日々

予感の降る音

予感の降る音

ことばのあと
瞳の奥は見えず
唇の滲む
違和感は何故でしょう

手を振ったあと
振り返ると
もう 駆け去って
いるのは何故でしょう

さよならの予感の
降る音はなんだか寂しくて
階段の手すりに
もたれて
見上げる空は
遠くなっていきました

どこへ帰る道

どこへ帰る道

帰るべきところからの
帰りみち
どこへ このままどこへ

知らない目をした
知ってる人と
知ってる服を着た
知らない人

ことばはなかった

街灯に照らされて
揺れる枝の影が

バイバイ
バイバイ
って
手を振るから
息ができない

在りし日のまぼろし

在りし日のまぼろし

路地から
横目に眺める表通り

通り過ぎるのは

あの日の
二人

あの日
のふたり

バスがゆく
とおい会話と
すれ違いに

約束のテーブル

約束のテーブル

あの日 僕らが
立ち去ったテーブルで
向かい合おう

君が泪で笑った
あのテーブルで

約束のとおりに
誓いのとおりに

君が抜いて差し出した
時計の電池を握って
このテーブルで

そして僕は
来ない君を
今も待ち続けている
このテーブルで