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想いや人生

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2020年9月の記事一覧

歩み

歩み

思い出に体重をかけると
ぶら下がるように
過去は廻る

恐れながらもゆこう
人生をひきつれて

どこかに辿りつくだろう
歩み続けるかぎり

おもてとうらの落とし穴

おもてとうらの落とし穴

仰向けのだんごむし
硬い背中は
丸まれるからだは
身を守るのに最適なのに
仰向けになった途端
もがいてももがいても
自分じゃ戻れない

僕もまた
心を硬めて 丸まって
何からも自分を
守っていたのに仰向け

誰の指が
気づいてくれるところに
居るのだろうか

清と濁

清と濁

身の底に
垂れた糸をつかんで
欲望が上がってくる

清いもの 醜いもの
まだらに混じって
我を成す

そこからも
目を逸らさずに

個性は開かれるか

めぐり逢い

めぐり逢い

めぐり逢いが運命なら
自分の番は
いつまわってくるんだろう

「もう ないよ」

え そうなの
そうなんだぁ
それで諦められるなら
それもまた 運命と
いうものなのかもしれない

すれ違ってゆく
手を繋いだ微笑ましい老夫婦

ひとり時間

ひとり時間

ちからを抜いて
息を整えて
姿勢を正す 芯を探る

からだがそれに
対応してゆくように

穏やかに見つめて
感情を整えて
思いを正す 想を探る

こころがそれに
順応してゆくように

こころと からだと
わたしが
離れてしまわないように

こころの扉

こころの扉

環境にとらわれた義務は
手放せば変わる
飛び出せば変わる

変化を求めるか
嘆きを続けるか

こころの声に呼ばれて
扉は開かれる

欠片に咲く花

欠片に咲く花

さよならの実の欠片を
集めても
出逢いの予約切符には
ならない

それでも

新しいめぐり逢いが灯るとき
その欠片たちは
こころに ことばに 眼差しに
すべてに

小さくも優しい彩りを
咲かせていることでしょう

語らぬ花のことばを

語らぬ花のことばを

花を見にいきましょう
望まれずに咲く花も
望まれて咲く花も

与えられた価値は
望んだ側の都合だから

どちらの花も
語らず同じに美しいから

花を見にいきましょう
ふたりで
その睫毛が濡れる時には

Raindrops

Raindrops

騒がしく
静かに

語り落ちる雨粒

彼らの嘆きの上にも
彼女らの涙の上にも
そして誰もの憂いの上にも

それぞれの夜の上に
哀しくも
優しくも
分け隔てなく沁みわたる

『シーソーの真ん中』

『シーソーの真ん中』

主観と客観
どっちから眺めても同じにみえるのは
手をかざして微笑む神さまくらいで、
僕は孤独を覚悟しながら、愛されたい
とも祈っている。こころの豊かさを謳
いながら、ささやかな暮らしを憂いで
もいる。人はそれぞれのバランスで自
分と向かい合ったシーソーに座って上
がったり下がったりして喜んだり泣い
たりして、それは自分でもよくわから
ないまま。人が見た人の値打ちなんて
見る人次第で変わってしまうよ

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