見出し画像

硬い光は上級者:写真の部屋

我々は1日にどれくらいの枚数の写真を見ますかね。インスタも駅のポスターも雑誌も合わせたら数千くらいかもしれません。駅のポスターや雑誌はプロが撮っていますけど、SNSはそうじゃありません。その違いについて。

まずは、伝えたい目的が違います。違うというより「ありか、なしか」と言ってもいいと思います。目的があると、そこに必然的な「方法の選択」が生まれます。たとえば洋服のブランドなら服の素材を見せたり全体のシルエットを見せたり、それらを見せずに雰囲気で表現しようとしたりします。

ここですでに「服を見せる」という目的と、見せ方の方法が三つクリアになりました。そしてモデルやヘアメイクのスタイル、ロケかスタジオかを決めて撮ります。ファッション誌を見ると、条件のコントロールがしやすいのでスタジオの比率が多いのがわかると思います。

さて、スタジオでは自由にライティングができます。ここがアマチュアとプロの大きな差で、目的に応じたライティングをたくさん経験しないと、自分が頭でイメージした写真が撮れません。昔、スタジオマン出身のカメラマンがほとんどだったのはこれが理由です。毎日、朝から晩までテイストが違うカメラマンのアシストをして、まったく違うライトを組む。超一流の学校に行っているようなものです。

先日、ある人から写真を見せられて、ライティングがうまく行かなかったと相談されました。見てみると「ライトが硬い」。硬いライティングほど難しくなる。これは憶えておいてください。

コントラストがついた硬いライティングはうまく行くとカッコいいんですが、素人がやると大失敗を生みます。ちょっと撮れるようになった人でも、硬いライティングに挑戦している人をあまり見たことがありません。

光は太陽を基準にしていますから、まずライティングは太陽の光に置き換えて考えてみてください。今日は簡単に三つ書いておきます。

ここから先は

775字 / 3画像

写真の部屋

¥500 / 月

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。