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サトリ:写真の部屋

写真の話をしていると、いつも「サトリ」が思い浮かぶ。

サトリは人の心を読む妖怪で、「今、こう思っただろう」と言い当てる。サトリに睨まれた人間は何を考えているか読まれないようにするのだが、何も考えないというのは難しい。

黙って薪を割っていると、偶然飛んでいった薪がサトリに当たり、退散するって話なんだけど、まさにこれは写真を撮るときの気持ちに似ている。

考え過ぎて、考えるのをやめて、でも次々に何かを考えてしまっていて、考えていないようにしているからそれも考えていて、八方ふさがりになる。

そこには誤って薪が飛んで行ってしまうといった偶然の要素もあるにはあるんだけど、そればかりを待っていても始まらない。考えたんだけど、考えていなかったように撮るのがうまい人はいるし、それがとても自然に見えることもある。どうすればそれが撮れるんだろう。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。