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冒険前夜:写真の部屋

ソーシャルメディアは単独では存在していません。「そこでの振る舞い」なんていうものはなく、その人の生き方がそのままあらわれるだけです。

近所の海岸を散歩しながら砂浜に咲いた花の写真をアップしているミュージシャンがいて、そこに「次の曲を作ろう」とキャプションが書いてあったとき、その人が音楽を生む瞬間を知ることができます。ラーメンを食べていてもいいし、ジョギングしている写真でもいい。今まではできあがった音楽が完成品の状態で我々の目の前にあらわれていたわけですが、それ以前の何かを生み出す瞬間までも目撃することができます。

以前「冒険家の植村直己さんがアタック前夜のテントの中で何をしていたか」という話を聞いたことがあります。その場にいない私たちには知り得ないことで、冒険が成功したときにも「成功した」という結果のニュースしか流れてきません。では、彼らはそこで何をしていたのでしょうか。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。