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待たせてごめん:写真の部屋・Anizine

昨日は音声メディアコンテンツの収録をしました。あるテーマの6回分を続けて話したのですが、箇条書きにしたものを即興で構築しつつ話すというのは、思ったよりも大変でした。いくつかのキーワードを元に話しながら文章にしているような作業であり、アーカイブ型なのでずっと残ってしまうというプレッシャーもありました。

まず、以前の打ち合わせで仮に決めていた「全体のテーマ」が、ちょっと普通すぎるかなという疑問が生まれ、収録の前に一時間以上悩んでみんなを待たせることになっていまいました。数日前に知人と、世の中に出すものとして「ネーミングはとても大事だ」という話をしていたからで、そこで偉そうに話していた自分が選んだワードがこれでいいのかと、自分が自分にダメ出しをしたわけです。

何でもかんでも粘ればいいわけではありませんが、スタジオでスタンバイしている人たちを待たせて考えるのは悪い、とそのまま進めてしまう姿勢はただの『妥協』です。結果的には仮題から一周して、ほぼ同じなのにすこしだけ違うタイトルになりました。それに決まるまでかなり馬鹿馬鹿しいタイトル案も出ましたが、生き残ってそれらの屍の上に立っているシンプルな決定案は、何も考えずに便宜的に決めていた仮題とは意味が違っています。

優秀な制作者は妥協しません。人がそれぞれ持っている能力はスペイン語っぽく言えばオイソレと変わりませんが、能力の天井まで登ろうとする努力、粘りの限界には差が出ます。変えられるのはここしかないのです。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。