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ダイナミズム:写真の部屋

広告出身であることから、自分が撮る写真にはダイナミズムが欠けていると思うことがあります。ダイナミズムを「破綻」という言葉に置き換えてもよく、画面の中に写っている被写体が心地よく躍動しているかどうか、という問題です。

伝達されるべきメインのオブジェクト以外には目の行きようがないシンプルさ、それが広告写真の役割のひとつです。しかしそれだけだと凡庸で退屈に感じたりしますから変化をつけます。撮り方がいつも同じでなく、毎回そのグラデーションをコントロールできる写真家は素晴らしいと思います。グラデーションの目盛りが細かいことがプロフェッショナルの条件で「極端にシンプル」か「メチャクチャに過激」では仕事になりません。小数点以下3桁くらいの精度が必要になります。

この写真もまあまあシンプル寄りではあるんですが、シャッター速度を遅くすることで手の動きにブレを与えています。もう少し破綻方向に持っていくとどうなるでしょうか。次の写真を見てください。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。