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写真とデザイン:写真の部屋

写真展に並べるような、完成形としての『写真』がありますが、仕事の場合、アートディレクターにとっては『素材』として見えています。写真展の会場に並んでいても、何かのデザインをほどこしても結果がよくなるものが「いい写真」なのだろうと思います。

レコードジャケットや映画のポスターなどを思い浮かべてもらえるといいのですが、デザインされたことで写真が負けてしまう場合があります。これはよくない例です。かと言って写真を尊重するあまりデザインが邪魔をしないように萎縮するのもよくないです。写真とデザインが対等に主張していることがベストなのでしょう。

どうでもいい時計の写真ですが、ルーペがあったので写真としてのエフェクトを加えてみました。ただ時計だけを撮るよりも面白くなったかもしれません。写真家はアートディレクションを想定する能力が必要ですから、単なる素材だとしてもアートディレクターに勝負を挑む気持ちを持っていた方がいいと思います。そうでないとアートディレクターがカメラの操作を学んで撮った方が早いからです。

それは、デザインができることと写真の撮影でできることの役割分担なのかもしれません。アートディレクターが指示したモチーフの処理を写真家がもう一段階ビジュアルとして向上させ、それを見せられたことでデザインがさらに変化していく。これが理想なのでしょう。

さて。

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写真の部屋

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。