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Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
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2020年1月の記事一覧

10号車と11号車:Anizine

これから映画についての原稿を三本、仕上げる予定です。 文章を書くときは、前後関係や言い回しなどは無視して勢いよく書き、別な仕事をしたりして時間をおいてからもう一度読み直すことにしています。これは自分が読者となって初めて読んだときに意味がわかるかを検証する、必須の作業です。 文章が巧い人は最初からそんなことをせずに書けるんでしょうけど、俺などは後から自分で読んでみて、「こいつは何が言いたいのだ。さっぱりわからん」という場合がまだまだ多いので、その境地にたどり着くまでは地道な

再度、事情が変わりました。

今日発表した記事。 バルセロナ行きの旅費支援ですが、また事態が変わりました。藤田さんご家族へは当初の通りの支援が完了しましたが、やはり嶋津さんご夫婦は、「純粋な気持ちで始めた『ロバート・ツルッパゲとの対話』への協力と関連づけられたくない」ということもあり、辞退されました。謙虚かつ清廉潔白だなあ。その代わり、ご夫婦と三人で何か美味しいモノを食べに行きましょうということになりました。 藤田さんたちにはスペインをエンジョイしてもらって、「楽しかった〜」というのを聞きたいです。

「決定」ガウディを見てくれ。:Anizine

バルセロナに行きたいと思っている人に名乗りをあげてもらいましたが、かなり悩みました。こちらにはあまり情報がない。その人にどれほどの思い入れがあるかもわからないし、それを選別する資格も俺にはないからです。誰かを選ぶと、それ以外の誰かが落選することに心が耐えられなくなる。キツいのはここなんです。 今朝、「間違えたふりをして間違えるのが好きだ。今日も間違えていこう」と何気なくTwitterに書きました。誰に共感してもらわなくてもいい、こういうことを言うのが好きだからです。すると、

もうひとりの赤ん坊:Anizine

平均すると、週にだいたい10から15くらいのミーティングやら食事などがあり、その隙間で物理的な作業をする。映画を観る。友人と会う。本を読む。 昼に打ち合わせや撮影をしたら、夜はレタッチなどの孤独な作業。太陽が昇る直前にネットで映画を観て、少し寝てからまた打ち合わせや撮影に行く。俺はこういう生活を何十年も続けているので何とも思っていないし、他の人もそうあるべきだなんて思ってはいない。フルタイムのアシスタントを使わないのも、そんなサイクルに他人を付き合わせたくないからだ。 何

尊属殺人:Anizine

家族の中で殺し合う、などの悲しいニュースを聞くことがある。 我々世代に残された心の傷は「金属バット殺人事件」かもしれない。1980年に、浪人生の息子が両親を撲殺した事件だ。多くの社会問題を含んでいたこの出来事はマスコミで連日報道された。 親や配偶者の直系尊属を殺した者には、明治時代から「尊属殺人罪」という加重規定があった(傷害致死なども含む)。1973年に日本国憲法下では違憲という判決が出て、1995年には刑法から削除された。これは家族という関係へのかなり大きな意識の変化

一日サボってごらん:Anizine(無料記事)

7日からグアムに行ってくる、という話をしたところ、「俺も行く」という人があらわれた。今までも「台北に小籠包を食べに行くけど、誰か行く?」っていう呼びかけに何人か参加してくれたりして、まあここで言いたいのは、俺は「ヒマで、ノリがいい人」が好きだってこと。 もしくは、ふざけた人、でもいい。旅行ってだいたい知っている人と行くことが多いよね。面識のある家族とか友人とか。パック旅行で知らない人と団体になるのとはまたちょっと違うんだけど、あらかじめ知っている人としか旅行に行かないってい

経済支援のルール。

俺と同じ、50歳を過ぎた同年代のスポーツ選手ってさ、チームの監督とかを通り越して、もう協会の役員とかやってるわけよ。 三浦知良さんみたいな現役への執着心はとても尊敬できるんだけど、レギュラーポジションはひとり入ればひとり締め出される。そこにベテランが居座るのは「若手の出場機会」を考えるとどうかって問題はあるよね。 年齢というのは実績のことでもある。20代から30年間仕事をして50歳を過ぎたときにすべきことは、もう自分がゴールを決めることじゃなくて、ピッチの外から物心両面で