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殺処分場へ行ってみた①

「犬や猫の殺処分」問題。

動物が好きな人もそうでない人も
一度は耳にしたことがあるでしょう。

なくなってほしいと願う人がたくさんいるのに
なぜなくならないのか?

その原因を探るべく、福岡市で殺処分を行っている
東部動物愛護管理センターに行ってみました。

ここへ行ったのは人生で2度目。

初めて行ったのは小学生の時でした。
その時の目的は、殺処分対象の子の里親になるため。
両親にお願いして連れて行ってもらいました。


今回は事前にアポを取り、施設内の見学と
殺処分の現状についての説明もお願いしました。



現在こちらの施設では静脈注射による処分方法に
切り替わりました。
→(2022年1月13日訂正)
2013年に炭酸ガスから静脈注射に切り替わったのは
・成犬
・子犬
・成猫
のみで、子猫は現在も炭酸ガスによる処分です。

お詫びして訂正いたします。





※SNSなどで悪用しないことを前提に
撮影許可を頂いたので写真・記事の転載はお断りします。

スクリーンショット 2021-12-17 16.32.20

この写真は犬を収容する設備です。

これまでの歴史も知って頂きたいので、
炭酸ガスによる処分方法を説明していきます。

矢印の先は区切られた檻のような構造になっています。
収容された日から1日経つごとに部屋を移動させられ
最終日(7日目)になるとシルバーの扉が開きます。

緑の通路に出てきた動物たちは奥の移動式扉によって
手前に追いやられていきます。


追い詰められた先で待っているのがこちら。

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この蓋が上に開き、動物たちは下にあるボックスの中に
落ちていくという仕組みです。

動物たちが全てボックスに落ちた後、
蓋が閉まってガスの注入が始まります。

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↑ガスを注入する装置

スクリーンショット 2021-12-17 17.03.32

↑ガス処分の手順を書いた貼り紙

70分後ガスの注入が終了。
過去には70分経っても死ねない子もいたそうです。

亡骸は焼却後に埋葬されます。
この作業はペット霊園に委託しているため
こちらの施設には設備がありません。


現在は静脈注射に切り替わっているはずなのに
なぜこの処分場があるんでしょうか?

職員の方に尋ねてみると
「今後使う可能性がゼロではないからです」

コロナ禍で急激に伸びたペット需要。
コロナが終息しても一生涯世話をする自信はありますか?

そしてもう1つは狂犬病の蔓延。
年1回の注射で予防できるのに、その義務さえ守れない
飼い主が日本ではおよそ5割に上ります。

ウイルスが日本に持ち込まれてしまった場合、
感染すると犬も人間も致死率ほぼ100%。
この場合、先程の処分機が稼働することになります。


1枚目のこちらの写真。

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私が伺った時は約20頭の犬が収容されていました。
小さな子犬から老犬までいましたが
一番印象的だったのはほとんどの子が首輪をしていたこと。

飼い主から捨てられた子、脱走してしまった子が
この冷たい床の上で過ごしています。


殺処分をなくす方法は1つ。
「飼い主が自覚を持つこと」



安易な気持ちで動物を迎えてしまうと
人も動物も幸せになれません。

「命を預かる」とはどういうことか。
迎え入れる前に一度立ち止まってみてほしいです。

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