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殺処分場へ行ってみた②

今回は福岡市・東部動物愛護センターで教えて頂いた収容・処分・譲渡の現状について書いてみようと思います。


令和2年度のデータを図にしました。
※職員さんからの説明も加えています
※転載は禁止します

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↑まず犬のデータです。

飼い主からの持ち込みは「高齢」「1人暮らし」「入院」「経済面」などの理由が多いそうです。

終生飼育が義務化され、飼い主からの引き取りを拒否できるようになったため、職員の方は飼い主に対しては以下の提案をするとのこと。

①自分で新しい飼い主を探してもらう
②動物病院での安楽死を検討してもらう

安楽死が正しい事なのかどうかは正直悩んでしまいますが、職員さんの「死ぬ姿を見たくない、自分では殺せないというのは無責任。最後まで飼い主としての責任を持ってほしい」という言葉を聞いてとても胸が痛くなりました。

自分が望んで迎えた命。
最後まで飼えるかどうか?
自分にもしものことがあったら?


私を含め、飼い主全員が考えなくてはならない問題だと思いました。


収容された犬は譲渡可能かどうか性格や病気の適性検査していきます。獣医師1名、スタッフ2名で2週間かけて判定を行います。譲渡可能であれば里親募集をかけ、譲渡不可であれば登録されている保護団体(約20団体)に連絡を取って引き取ってもらいます。

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↑続いて猫のデータです。

猫は犬と違って捕獲義務がないため、引き取り又は負傷による収容の2パターンになっています。犬に比べて圧倒的に収容数が多いです。

親猫のいない子猫は感染症のリスクが高く、収容された時に衰弱していたりミルクを飲めない状態だと殺処分になってしまいます。(収容数【361頭】に対し殺処分数+死亡数が【234頭】。半数以上が死を迎えている)

私は元の飼い主に返還される数が少ないことも気になりました。脱走してしまった子を見付けるのが難しいのか?それとも探さない飼い主が多いのか?。ここはもう少し掘り下げて調べてみようと思います。

また平成28年に始まったミルクボランティア制度により、猫の殺処分数が減少傾向にあります。

殺処分+死亡の合計数比較
平成27年度▶︎451頭(収容は553頭)
平成28年度▶︎293頭(収容は467頭)

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この制度が始まった平成28年以降とそれ以前で比較すると、殺処分や死亡が減り譲渡数が増えていることが分かります。この制度が始まるまでは、夜間に子猫の授乳や排泄補助をすることができず殺処分となっていました。現在は、離乳までの約2ヶ月間ミルクボランティアさんが授乳や排泄補助をしてくださっているお陰で、命を繋ぐことができるようになりました。

また収容数が減少傾向にあるのは、TNRを行なっている団体さんのご尽力もあると感じました。TNRとは、Trap・Neuter・Return(トラップ・ニューター・リターン)を略した言葉で、捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)ことです。望まれない出産をなくし、殺処分数を減らすのに有効な最も手段と考えられています。



今回は福岡市・東部動物愛護センターで教えて頂いたデータをまとめてみました。たくさんの動物が人間の手によって命を奪われているという現状と、その命を少しでも繋げようと尽力してくださっている方がたくさんいるということが、少しでも多くの方に伝われば嬉しいです。

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