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推薦図書: 19歳までに手に入れる7つの武器

樺沢紫苑先生の50冊目の著書「19歳までに手に入れる7つの武器」を読みました。

中高生向けに書かれた本ですが、教師からの視点では、ぜひ「親」に読んで欲しい一冊でした。


「子どもがスマホばかりしている」
「子どもが将来のことについて全く考えていないようで不安」
「子どもと意思疎通がうまくできない」

そんなお悩みを抱えた保護者の皆様に是非読んでほしいです。

私のこれまでの教師としての実体験を交えながら特に印象に残った部分をご紹介します。




(1)整えられない親と子ども
本書では「整える」大切さが書かれています。
整えるとは、生活や行動を整えること。睡眠時間を確保することや食事をきちんと取ること、運動習慣を身につけることなどが整える活動として挙げられます。
実は、この「整える」活動ができないことを親が許してしまう、ということに危険が潜んでいるのです。
朝起きない。朝ごはんを食べない。夜遅くまで起きている。それを親が許している。そんな家庭は漏れなく子どもの成績が悪くなるか、更に悪化すると、不登校や引きこもりになります。
教師の視点からすると、親がそれを「許してしまう」という所が危険ポイントなんです。
特に、深夜までスマホやゲームができる環境というのは絶対に避けるべきです。
身体的・心理的どちらの観点からも子どもには悪影響しかありません。


(2)スマホの奴隷
中高生の5人に1人は1日のスマホの使用時間が9時間を超えているといいます。
ハッキリ言います。スマホは中学生には不要です。「勉強に使う」と言う方がいますが、スマホの検索機能は中学生の学習レベルには情報量が膨大すぎるので不必要です。
教師として中学生の保護者の方からスマホの購入を相談されることがありますが、絶対に購入すべきではありません、と答えます。なぜなら、100%成績が下がります。
「7つの武器」にも書かれていますが、子どもは大人よりも我慢する力が弱いからです。
中学生にスマホは不要です。もっとリアルの世界での体験を大切にしてほしいです。


(3)生きる力の大切さ
「7つの武器」で何度も出てくる「生きる力」
実はこの言葉、子どもたちを育てる学校教育の指針となっている学習指導要領で最も大切にされている言葉なんです。
樺沢先生は「生きる力」をこのように定義しています。
“自力で「答え」を見つける力“
私は生きる力とは「答え」+「問題」そのものを見つけ言語化でき力だと思います。
私はこれに困っている。だからこんな解決策が必要だ。これを声にできることが「生きる力です。
その力を養うために大切なのは、アウトプットです。まずは、誰かに話すという一番簡単なアウトプットから心がけてほしいと思います。


(4)読解力がつけば差がつく
入試問題は年々長文化していることをご存知でしょうか。国語のみならず、全教科の入試問題が長文化しているのです。これは、文部科学省が子どもたちの読解力の向上を図り行っているもので、毎年かなりの文字数が増やされています。つまり、読解力のない子どもは入試に受からないシステムになっているのです。


7つの武器に追加するとしたら
この本に書かれている7つの武器を思春期の間に手に入れることができれば、あなたのお子様は大きく飛躍することでしょう。
最後に、教師としてあと1つ武器を追加するとしたらどんなものが良いか考えてみました。

自分に合った働き方を知る力

現代は一昔前に比べて働き方が多様化し選択肢が無限に増えました。
しかし、現代の中高生は「働くこと」に対する興味が驚くほど薄いです。
その理由には、働き方の選択肢が多すぎて自分が働くことのイメージがうまくできないことにあります。
そのため、中高生の間に色々な職業を知ることを大切にしてほしいです。
アルバイトを経験することも良いですが、経験者の話を聞くというのも効果的です。
一番オススメなのは
「大人になったらどんな生活をしたい?」
を想像することです。

「午前中はゆっくりしたい。」
「お弁当を作って職場に行きたい。」
「毎日ゲームがしたい。」
「通勤時間0分がいい。」
聞いてみると様々で意外なものが出てきたりと面白いです。
重要なのはどんな生活を送りたいのかリアルにイメージをすることです。
ここをなんとなくラクそうだから、親に言われたからという理由で職業を選ぶと必ず後から後悔することになるのです。

コロナをきっかけにテレワークが流行りましたが、テレワークが合っておらずストレスとなってしまった人もたくさんいました。
1日の大半の時間を費やす仕事時間。自分にはどんなワークスタイルが合っているかということを知っておくことは人生の質を上げるために必要不可欠でしょう。



19歳までに手に入れる7つの武器

中高生の保護者の皆様に是非とも読んでほしい1冊です。
読み終わったらお子様にも読んでほしい。そして、生きづらい世の中を打開してほしいと思います。
19歳までに手に入れる 7つの武器
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