見出し画像

140字小説「悲しい痛み」

双子の兄に裏切られ
故郷を追放された少年は
夜毎泣きながら自分を傷つける。

感覚を共有する兄に
痛みと悲しみを送るために。

「これで兄さんは僕を忘れない」
憎悪と思慕がないまぜの悲しい呟き。

彼を抱きしめ星に祈るだけの
無力な自分に腹が立つ。

私の温もりで
彼の痛みが消えればいいのに。

今日のお題「星・裏切り・自傷」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?