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140字小説「中秋の名月」

今年も「中秋の名月」と呼ばれる季節が近づいてきた。
いつもは私のことなど気にも留めぬ人々がここぞとばかりに騒ぎ出す。
私自身は普段と変わらず空にいるだけなのに、おかしなものだ。
とはいえ、団子や薄を準備して楽しそうに兎を探す姿などは大層愛らしく、まぁよいか、と思うのも毎年のことである。

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