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ショートストーリー

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ちいさな物語を書いています。 月や星、魔女をモチーフにした作品が多いです。 目標はいつか一冊の本にすること。
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記事一覧

140字小説「地獄で見る星」

ここは言葉を粗雑に扱った人間が堕ちる地獄。 ここに来た者は、降り積もる黒い言葉の塊を磨き…

140字小説「因果応報」

多様な生物が絶妙なバランスで共存していた場所に、自分たちの都合で他の生物を管理したがる種…

140字小説「夢の花」

人間が心に夢を描くと常闇の国で種が芽吹きます。 夢が叶った時、真っ白な花が咲くのです。 け…

140字小説「季節外れの雪」

人間に恋をした天使は、守護天使になるか、恋の成就を賭けた堕天か選ばねばなりません。恋が成…

140字小説「中秋の名月」

今年も「中秋の名月」と呼ばれる季節が近づいてきた。 いつもは私のことなど気にも留めぬ人々…

140字小説「ひかりのはしご」

雲間から天や地にのびる光を見たことがあるでしょう。 あれは神さまが架ける光の梯子。毎日地…

140字小説「はしる稲妻」

雷神さんちの悪戯小僧。 ある日、ふざけて暴れて空をびりびりに破いちゃった。 慌てて針と糸で縫い合わせたけど、じぐざぐの跡がくっきり。 怒った父ちゃんが雷を落とすと、縫い跡にぴかり!光が走った。 こりゃあ綺麗だ。父ちゃんは途端にご機嫌に。 雷が落ちる時、稲妻が走るようになったのはそれからさ。

140字小説「月の兎」

ある晩、月から飛び出した兎を夢中で追いかけた僕は、 夜の町で迷子になった。 泣きべそをかく…

140字小説「命懸けの恋」

月に恋をした妖精は真っ白なドレスで踊ります。 やがて爪先からは血が滲み、手足は傷だらけ。 …

140字小説「川原の石」

静かな村の川原で虹色に光る石が見つかりました。 石は高値で売れ、村人の暮らしは楽になりま…

140字小説「光る目玉」

窓辺に微睡む古い機械人形が一体。 人間さながらの仕草で多くの人を驚かせたのは遠い昔のこと…

140字小説「月に手紙」

或る晩、お月様に手紙を書いたんだ。でも届け方が分からなくて、空に向かって読み上げてみたの…

140字小説「お空の天使」

「さあ、お前たち。今日も元気に遊んでおいで。」 神様の一言で天使たちはいっせいに天のお宮…

140字小説「光る言葉」

言葉で傷つけ合う人間を憂い、神は言葉を結晶化した。すると自分の口から零れ落ちた鋭利な結晶で怪我をする者が続出した。その一方で神は光る言葉に傷を治す力を与えた。例えば子守唄、若者が語る夢や希望、平和への祈り。それらが放つ美しい光で世界が包まれた時、言葉は再び形を失い見えなくなった。