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【No.18】意外に気になる!留学先でとけこめるのか~後編

人生は何歳からでも楽しめる

居心地がいいかどうかは、こちらの気持ち次第でなんとかなるのではと思う。

話は大きくそれてしまうが、私がこう思えるようになったのは、はるか昔の1990年代、30代の初めに1カ月間のフランス語学留学をしたのがきっかけかもしれない。

フランス語が好きで(その当時は英語には全く興味がなかった)、フランス語とフランス文化にどっぷりつかりたいと、2歳の娘を置いてフランスに飛び立ったのだ。育児と仕事の両立に孤軍奮闘し、心底疲れ、人間関係を壊すようなやりかたで会社を辞め、茫然自失。現実逃避をしたかったというのもある。

その時の私は、「もう30歳、若くない、仕事も失って、乳飲み子を抱えて再就職先もない、もう人生の華のある時期は終わった」と思っていた。が、留学先で出会ったのは、50、60、最高では80代の女性たちが、「もうおばちゃんだし…」と遠慮することなく、ぐいぐい若者たちの輪の中に入って、学校生活を楽しんでいる姿だった。

長年の憧れだったフランスに過ごし、フランス語を存分に学べたこと、もう一度日本に戻ってキャリアを立て直そうと思えたことは収穫だったが、「人生、何歳になっても楽しんでいいんだ!」と思えたことも、思いのほか大きな収穫だった。

アウェー感を克服するには人のやりたがらないことをする

とはいえ、一人だけ人と違う、自分は少数派、というシチュエーションが、居心地が悪いのは確か。カナダ出張のときの、英語がしゃべれないのは私だけ、というシチュエーションは、かなり居心地が悪かった。

留学に限らず、そういうアウェー感にさいなまれたときに、私が必ずすることがある。

それは、人のやりたがらないことをやる、ということだ。たとえば飲み会だったら、大皿の料理をみんなに分けてあげるとか。ほかによくやるのは、みんなの写真係を買って出ることだ。

外出先で、たくさん写真を撮るけれど、自分の写真がほとんどないというのはよくあること。だから、撮ってあげて後で送るととても喜んでくれるのだ。

カナダ出張のときも、行く先々で集合写真をはじめ、メンバーたちの写真を撮って、その日の夜にはベストショットを選んで送ってあげた。写真を撮るのはもともと好きだから苦にならないし、喜んでくれるのが本当に嬉しいのだ。

写真をきっかけに話もできるし、写真を送るという理由でメールアドレスも聞ける。英語はあまりできなかったけれど、写真のおかげでぐっとメンバーとは仲良くなれた。フィリピンでももちろん、写真係をやらせていただいた。

写真でなくても、「何かこの集団の中で、自分が貢献できることはないか」と考え、みんなのためにできることをやればいいと思う。すると、自然と居場所ができて、アウェー感をおぼえなくなる。

ただし、好きでないことを無理してしないこと。そして、がんばりすぎないことだ。やりすぎて「点数稼ぎしている」とやっかまれたり、相手に「そこまでさせて申し訳ない」と思わせたりしない程度の貢献がちょうどいい。(つづく)

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