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【No.12】フィリピンの語学学校とは
今回は、フィリピン留学ってどんなもんなの?ということをざっと紹介しよう。
韓国資本 VS 日本資本の学校
フィリピンの語学学校は、大きくは、韓国資本の学校と日本資本の学校に大別される (米国資本の学校もあるがまだ少数)。
フィリピン留学といえば、「低価格でマンツーマン、スパルタ式」(これについては後述)が最大の特徴。この留学のスタイルを作ったのは韓国だ。
2008年ごろに多くの韓国資本の語学学校ができ、生徒も韓国人が多かったという。その効果の高さが口コミで広がり、日本からも留学に訪れる人が増えていった。
このスパルタ式教育を日本人にも合うようにカスタマイズして、日本人向けの語学学校を作ろうと考えた人たちが、日本資本の語学学校を開設し始めたのが2010年ごろ。
セブ島にあるQQイングリッシュやファーストイングリッシュが、まさにそういう語学学校の一つ。
QQイングリッシュは、バイク便の株式会社キュウ急便(QQ便)の創業者、藤岡頼光さんが2012年にセブのITパークというビジネスエリアに設立。英語脳を鍛えるカランメソッドが人気の学校だ。ファーストイングリッシュは日本で塾経営をしていた本多正治さんが、塾のメソッドを活かして日本人に合った独自のプログラムを提供している。
これら日本人経営の学校の特徴は、韓国資本の学校のよい面は残しつつ、教室がカフェのようにおしゃれだったり、部屋の設備が充実していたり、日本人に合わせたホスピタリティが行き届いていること。日本人比率が高いので、いきなりオールイングリッシュの環境に飛び込むのが不安な人にも安心。
ただ、日本人比率の高さは、英語の上達と言う面では欠点でもあるのだが…。
スパルタはフィリピン留学の代名詞
フィリピンの留学の最大の特徴は、スパルタ式のカリキュラムだ。
何がスパルタかというと、既に述べたように、マンツーマンの授業が朝から晩までみっちりあること。さらに放課後には強制自習や義務自習と呼ばれる時間があり、平日は遊ぶ暇もない。平日は門限があるか外出禁止。学生寮に缶詰で勉強漬けの生活を強いられる。
学校や寮内での会話は英語オンリーで母国語禁止。ついうっかり母国語を発したら罰金、という学校もある(詳しくは後述)。「放課後は日本人同士で固まって、結局英語力が伸びなかった」という留学の失敗談はよく聞くが、このスパルタ環境ではそういうこともなさそうだ。
ただ、フィリピン留学が知られるようになるにつれ、留学生のニーズも多様化し、厳しすぎるスパルタ式を嫌う学生もあり、準スパルタ、リゾート型、と呼ばれる学校やコースも増えてきている。
EOPポリシー
EOPとはイングリッシュ オンリー ポリシーのこと。つまり、学校内では、英語しか話してはいけないというルール。
授業中、オールイングリッシュで話しても、休み時間に日本人同士でかたまって、日本語で話してしまったら、せっかく英語脳(英語で考え英語で話す)になりかけていたのが一気にもとにもどってしまう。それを防ぐために、どこの学校でもEOPをかかげている。
しかし、徹底しているかどうかは学校によってかなり違う。キャンパス内は24時間いつも母国語禁止。もし母国語を話しているところを見つかったら罰則があるという学校もあれば(ただし罰則の厳しさもそれぞれ)、週に1回だけEOPデーを設けている、食堂の決まったテーブルだけ、あるいは共用のラウンジだけEOPエリアになっている、希望者だけEOPバッチをつけて英語でしゃべる、などルールはまちまちだ。
留学生の国籍比率の影響も大きい。日本人の多い学校だと、日本人同士でわざわざ英語を話すのは気恥ずかしい、面倒、という気持ちが働いて、EOPルールはくずれがちだ。逆に、外国人が多い学校だと、共通言語として英語で話さざるを得なくなる。
傾向としては、日本人経営の学校は日本人が多く(80~100%というところも)、韓国資本の学校は日本人比率が低い。日本人比率が低い環境に身を置くために、あえて韓国経営の学校に行くという人も多い。(つづく)
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